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【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。
本日は山中湖周辺で「e-Bike」のインプレッションを行いました。
「e-Bike」とは、以前から個人的に注目している「電動アシスト自転車」のスポーツ車版であるわけですが、その進化スピードは非常に早いといえます。
現在、「e-Bike」が持つ主な課題は以下の通りです。
◯重量=出力やバッテリー容量とトレードオフの関係
◯走行感=重量配分やジオメトリー、電動アシストの出力コントロールなどがカギ
◯航続距離=バッテリー容量や省エネ機能の進化次第
◯アシスト制限=現在は24km/hで電動アシストがoff
「重量面」については、最大出力を抑えたモデルであれば、すでにかなりの軽量モデルが出現してはじめています。
また、個人的には「走行感」が非常に重要な要素だと考えており、わかりやすく表現するならば、「スイッチをオフにした時に中級モデル以上のロードバイクと変わらない走行性能とフィーリングを持っている」ことが理想的だと感じています。
「航続距離」については、ロードバイク型の「e-Bike」であれば、常時電動アシストをオンにするような使い方はしない(平地などではoffにする)と思うので、現状でも150kmほどまでバッテリーが持つようなモデルが販売されはじめているので、すでに良いレベルに達しているといえます。
そして、一番重要かつ難しい問題である「アシスト制限」についてですが、やはり高速域までカバーしてしまうと、もはや「自転車」ではなく「電動スクーター」の様な存在となってしまい、免許やナンバーなどが必要になってきてしまいます。現在は24km/hがリミットラインとなっていますが、これを30km/hほどまで引き上げればより実用性が高まるように感じます。
いずれにしましても、我々が知らない間に「e-Bike」に関するテクノロジーは日々進化し続けています。
何年後かはわかりませんが、日本でも欧米同様にスポーツバイクの過半数を「e-Bike」が占める時代が必ず来ると感じています。
それまでも待つのもいいですが、それより先に今はまだ認識されていない「e-Bike」の隠れた活用方法を積極的に探求していくのも面白いかもしれません。