最近のエントリー
カテゴリー
アーカイブ
このブログについて
【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。
今年の夏の暑さは本当に堪えますね...
私自身、基本的に気温の変化に鈍感というか、冬でも薄着傾向、夏でも平気で厚手のズボンを履いてしまったりと、寒さ、もしくは、暑さにカラダが慣れてしまいさえすれば、外気温が原因で体調を崩すということは滅多にありませんでした。
選手時代も異常に気温が高いときのレースほど好成績を残す傾向があり、まわりが暑さでヘバッていくなか、自分だけが後半になっても「脚がギャインギャインにまわっている」なんてことも珍しくありませんでした。あと選手時代に脚を攣った経験もほぼゼロでした。
しかし、今年の夏は、人生に於いてはじめて、「夏バテってこういう感じのことをいうのか...」と、暑さによる体力低下を痛感している次第です...
「もしかして年をとったからなのかなあ?」と一瞬自分自身の加齢を疑ってもみたものの、ニュースに目をやると、「屋外プールの水温が35度近くまで上がったので中止」、「サウナ状態になる観覧車は危険なので運行取りやめ」、「全国で様々なスポーツイベントが開催中止になっている」などなど、いたるところで普段とは違った現象が起こっているようです。
また、世界中を見渡してみても、あちらこちらでも高温による被害が発生しているとのこと。
「災害レベルの暑さ」という表現までつかわれている今年の酷暑ですが、こんな時、「屋外民族」のサイクリストたちはどの様に夏を過ごしていけば良いのでしょうか。
自転車は平地を程々に流している状態であれば「空冷効果」で意外と暑さを感じないものです。また、適度に水をかぶれば「水冷+空冷」で更に効果的に熱を逃がすことができます。
しかし、それも「常識的な猛暑」までの話であって、外気温が40度近くまで上がり、更に湿度の高い日本の環境では、適度に水をかぶって走ったとしても、熱中症リスクが増大してしまうのは間違いありません。
結局のところ、涼しいところ(高地・クーラーが効いた部屋の中など)を探して走るしかなく、冬も室内でローラー、夏も室内でローラーという状況になってしまうと、いよいよバーチャルレース(公式戦)の開催が身近になっていくように感じます。
あらゆるスポーツのなかで、自分のカラダを実際につかった「バーチャルレース(ゲーム)」が最も発達しているのは自転車だと思います。
冬と夏は「屋内型のバーチャルレース」、春と秋は「屋外型のリアルレース」で年間シリーズ戦を競う、なんていう時代がそう遠くない未来にやってくるかもしれません。