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【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。
ありがたいことに現在は日本にいながらにして多くの本場のプロレースを視聴することができます。
しかし、最近では、自転車ロードレースだけに限らず、情報過多というか、様々なコンテンツが巷に溢れかえっており、それらを自分でさばく能力というものが情報の受け手に求められている気がします...
自転車ロードレースは試合時間が非常に長く、スタートからフィニッシュまで6時間を要することも珍しくありません。
また、グランツールなどは3週間ほぼぶっ続けでレースが続いていきます。
私が自転車ロードレースをはじめた頃というのは、それこそ年間に観れる本場の自転車ロードレースの映像はツール・ド・フランスの総集編くらいなもので、ライブで観れる海外のロードレースはほぼ皆無な状況でした。
ですから、その唯一観れる映像コンテンツに対しての執着心と真剣度は半端なかったと記憶しています。
その時代と比較すると世の中は本当に大きく変わりました。
テレビ、PC、タブレット、スマホなどの情報端末をいくつも持ち、そして、4G通信で外にいても物凄い量のデータを安価に受け取ることができます。
但し、情報を受け取る側の人間の脳は、たかだか30年ほどの年月では大して進化などできていないはずです。
また、当たり前ですが、1日の時間は24時間で変わらずで、労働時間などは昔よりもむしろ増えている気がします。
要するに、現代人が自由につかえる可処分時間自体は減っているのです。
そんな中で、より多くの情報が飛び交い、これからもこの傾向が加速していくとなると、シングルタスクの人間という生き物はどの様に「情報という名の大海原」を泳いでいくことになるのでしょうか。
情報を発信する側の仕事に就いている身としては、これからは「情報の量」よりも、「情報の質」とその「出し方」にもっと注意を払うべきなのでしょう。