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【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。
本日、オンラインサイクリングコミュニティとしてお馴染みの「Zwift」を利用した、世界初となる「Zwiftナショナル・チャンピオンシップ」が世界14カ国で同時開催されました。
開催される国は、アメリカ、イギリス、カナダ、ドイツ、日本、オランダ、ノルウェー、ベルギー、スウェーデン、韓国、デンマーク、スイス、フランス、ポーランドの14カ国で、南半球のオーストラリアについては別日に開催されるとのことです。
ここでの勝者は、「Zwift」内に於いて翌年の同大会開催までの1年間、「ナショナルチャンピオンジャージ」を着用することが可能となります。
すでに、2024年の「パリ五輪」では、対戦型ゲーム「eスポーツ」が正式種目になるのでは、という報道もされているなかで、「バーチャルサイクリングゲーム」で「ナショナル選手権」が開催されたことはとても興味深い流れといえます。
ちなみに「eスポーツ」に定義されるのは、スポーツ・シューティング・戦略・格闘などのコンピュータやビデオゲームを使用した「対戦型ゲーム」とされており、「Zwift」は厳密にみるとこのカテゴリーに属さないのかもしれませんが、それでも今後機器の進化により、オンラインによる「UCI公認バーチャルレース」が生まれる可能性は十分にあると感じています。
また、不正に対応するために「WADA(世界アンチ・ドーピング機構)」ならぬ「ZADA(Zwift Anti-Doping Agency)」も設立されているとのことで、競技としての公平性についても今後改善されていくことが予想されます。
今回、東京・矢野口にある「CROSS COFFEE」に於いて、マトリックスパワータグの佐野淳哉選手が「Zwiftナショナル・チャンピオンシップ」に出場するというイベントが開催され、急遽、私も実況として参加することになりました。
佐野選手は、約70kmのコースを脅威の出力を発揮しながら一気に駆け抜けましたが、今回は設定の関係上、正式リザルトには反映されず、残念ながらナショナルチャンピオン獲得はなりませんでしたが、それでも会場となった「CROSS COFFEE」は大いに盛り上がっていました。
近年、テクノロジーの進化により世の中が大きく変化するなか、今後スポーツのあり方自体も大きく変化していく可能性があります。
我々もアンテナを張りつつ、広い視野で自転車競技の未来を模索していきたいと思います。