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【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。
レンタサイクルを利用して「しまなみ海道」を走ってきました。
ちなみに「しまなみ海道」の定番ルート(約70km)を走るのは2012年に続いて2回目でして(前回は自分のロードバイクで撮影を行いながら走った...)、他のイベントなどでも「しまなみ海道」内の個別の島をいくつか走ったことはありました。
しかし、一般の方に人気のあるレンタサイクルを借りて観光スポットなどをチェックしながらサイクリングを行うのは今回が初めての経験でした。
ここ数年、「地方創生」予算などを活用した自転車レースや各種自転車イベントなどの開催が盛んに行われています。
また、「自転車活用推進法」が成立したことにより、今後も自転車を活用した「街興し」はポジティブに継続していくものと思われます。
そんな状況下に於いて、これから「自転車をつかった街興し」に力を入れていきたい各自治体などによくモデルケースとされているのが、「レース系イベント=ジャパンカップサイクルロードレース(栃木県宇都宮市)」、「サイクリングコース系=しまなみ海道(広島県尾道市~愛媛県今治市)」となっています。
「ジャパンカップサイクルロードレース」が持つ魅力やストロングポイントなどは、宇都宮ブリッツェンの監督時代を含めて自分自身が身近な場所にいたこともあり、ある程度理解はしていますが、「しまなみ海道」が持つ本当の魅力やストロングポイントについては、まだしっかりと理解できていないのが実際のところでした。
正直、「ジャパンカップサイクルロードレース」も「しまなみ海道」も、他の自治体などが「カタチ」だけを真似しても、すぐに同様の盛り上がりや各種効果を手に入れることはなかなか難しいのが実情だったりします。
今回改めて「サイクルツーリズム」という観点で「しまなみ海道」に触れてみたわけですが、やはり「元々存在していた価値」の高さというのが、現在の圧倒的な人気のベースとなっているのは間違いないところだと感じました。
もちろん、行政が積極的に介入して大きな流れを創ったのは間違いありませんが、しかし、「サイクリングとの親和性」や「自然の豊かさ(橋などの建造物も含めて)」など、創ろうと思って簡単に創れるわけではないものが元々揃っていた地域でもあり、最近自分自身がよく感じる「可能性のあることに多くのエネルギーを注力するべき」という考え方に合致する部分がありました。
「スタートする(隠れた魅力を引き出す)ための発想力」
「継続する(トライアンドエラーを続ける)ための忍耐力」
「切り替える(取捨選択する)ための判断力」
改めて、ものごとを進めていくための基本要素を思い起こさせられた2日間でした。