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このブログについて

プロフィール写真【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。

2017年10月31日

ひと

しゅ~くり~むら by 栗村 修
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先日、あるスポーツ選手がナビゲーターを務める動画コンテンツを観ていて、激しくうなずくシーンに何度も遭遇しました。

お題はビジネスというか経営というか、そういったものがベースとなり、いろいろなジャンルの経営者が登場するのですが、結局、行き着くところは「ひと」の話題へと繋がっていきました。

世の中、仕事ができるひと、結果をだしているひと(受け取っている対価に対して明らかに高いリターンやパフォーマンスを生み出している)というのはそれなりに多くいるとは思いますが、しかし、そういったひとたちが皆正当な評価や対価を得ているかというと、決してそうではない気がいたします。

残念ながら、パフォーマンスの高いひとのあらを探し、自分のレベルへと引きずり下ろす、もしくは、そのパフォーマンスが意味を持たないといったネガティブキャンペーンなどを行い、本質的にはプラスだったものをマイナス方向へと引っ張る見えない力が人間社会の中には数多く渦巻いています。

ですから、単に仕事ができるだけではなく、論客というか、自分が発揮しているパフォーマンスを正確に主張し、周囲を納得させ、そして、正当な対価や評価を得れるようなマネージメント能力も必要となってきます。

そういった意味で考えると、パフォーマンスは低くても、逆にセルフマネージメント能力が際立っていて、実態以上の高い評価(対価)と地位を得ているひとも意外と少なくないのが人間社会だったりもします...

なにが言いたいかというと、そういった矛盾だらけの複雑なパワーバランスの上に成り立っている人間社会の中で、なにか大きなことを成し遂げていくためには、「ひと」という生き物の本質を知ることが非常に重要であり、多くの経営者は、無意識、もしくは意識的に、人間心理学の様なものと日々向き合っているのだと思います。

大半のひとが口にする「いい人」というのは、その殆どが「自分にとって都合がいい人」という意味にも置き換えられます。

しかし、本当に「多くのひとにとって都合がいい人」になってしまったなら、恐らく大きなことを成し遂げるのは困難になってしまうことでしょう。

元々人間という生き物は、「リスクを回避」し、「楽に生きたい」という本能をベース部分に持っています。

マズローの法則によると、こういったベース部分の欲求が満たされれば、より人間らしい高度な欲求(例えば承認欲求⇒自己実現欲求など)へとステップアップしていくとされています。

しかし、世の中を見る限り、ベース部分の欲求が満たされたとしても、次のステップなど見ることなくディフェンシブな欲求に固執するひとたちの数は少なくなく、そういったひとたちに対して熱く夢や理想を語っても、単に「キレイゴト」として片付けられてしまうのが関の山だったりもするわけです...

一方で、高い自己実現欲求を持つひとたちにとっては、目的や夢がみえない環境にいること自体が苦痛であり、それがどんなに安定した環境であっても、そこになんの魅力も感じなくなってしまったりもします。

そういった、様々な「欲」を持ったひとたちが混在している社会のなかで経営を行うということは、本当に困難な作業なのだと感じます。

「生きる目的」も「仕事の能力」も「忍耐や体力といった耐久力」もまったく違うひとたちが集まり、ひとつの巨大なプロジェクトを行う...。

どう考えても困難な条件のなかで、偉大な経営者たちはどの様な選択肢を駆使してきたのか?

じっくりと学んでみたいものです。

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