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【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。
現在、「ブエルタ・ア・エスパーニャ」参戦中の「UCIワールドチーム」の一つである「キャノンデール・ドラパック・プロサイクリングチーム」が、2018年シーズンに向けたチーム予算の確保に奔走しています。
現状、既存スポンサーである、キャノンデール、ドラパック、オース、POCの各社は来季もスポンサードを継続することを表明しているようですが、それでも、目標年間バジェットである1,600万ドルに対して700万ドルも不足しているとのことです。
「700万ドルも...」と書いてしまいましたが、一方で、直近まで史上最高値を更新し続けてきたアメリカの株式市場の加熱っぷりを見ると、正直、「700万ドルごときその辺のお金持ちのポケットからポロリとでてこないものなのか?」と甘い考えも生まれてしまいます...。
ここ数年よく目にする「FANG(Facebook/Amazon/Netflix/Google)」という表現がありますが、上記を含むアメリカを代表するIT8社(プラスMicrosoft/Apple/NVIDIA/Tesla)の時価総額は現在3兆ドル以上に達していると報道されていたりもします。
自転車ロードレースというスポーツは、その代表的なレースである「ツール・ド・フランス」だけ見ても、のべ視聴者数が35億人もいるわけで、キャノンデールのヴォーターズGM自身が語っているように、その費用対効果たるや相当なものがあるのは間違いありません。
それでも各チームが毎年毎年存続をかけたギリギリの戦い(予算確保という名の)を繰り広げてしまっているのは、自転車ロードレース界のビジネスモデルにどこか大きな欠点があるからだと多くのひとたちは考えているようです。
近年、どんなビジネスに於いても「出資に対するメリットの明確化(数値化)」が強く意識されるようになってきました。
どうも、自転車ロードレースの世界というのは、その辺への取り組みに対してまだまだ大きな改善点が存在しているように感じます。
まずはヴォーターズGMのチームに生き延びてもらうために、我々ファンができることとして「クラウドファウンディング」への参加がありますので、余裕のある方はポチリしていただければ幸いでございますが、それと並行して他のプロスポーツの構造などを分析しつつ、資金ショートに陥る様なチームの数を抜本的に減らしていきたいものです。