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【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。
先日、東京・目黒にある 『自転車文化センター』 に於いて、『ツアー・オブ・ジャパン』 のオフィシャルフォトグラファーでもある 『田中苑子さん』 の 『写真展(11月16日~20日)及び スペシャルトークショー(11月18日)』 を開催いたしました。
田中さんの写真やレポートというと、『シクロクロス』 や 『アジアツアー』、更には 『アフリカツアー』 など、普段なかなか目にする機会の少ないレースを中心に 『人』 にフォーカスをあてた作品が多い印象を持っていました。
今回、改めて1時間30分のトークショー(本来は1時間の予定でしたが...)を通じてこの世界に入った経緯や、これまでの紆余曲折などを伺っていくと、なぜこういったテイストの作品になっているのかを深く理解することができた次第です。
ある分野に於いて一定期間一定の成果を挙げている方々というのは、総じてなんらかの 『フィロソフィー』 を持っているといえます。
もっといえば、『ひと(個人)』 だけではなくて、『団体(法人)』 についても、一定期間あるレベルの成果を挙げているところというのは、相応の 『哲学』 を持っています。
田中さんには、話を伺っていて聞き手にスッと入ってくるシンプルかつ明確な 『フィロソフィー』 がありました。
自分自身のなかに 『想い』 と 『知識』 と 『経験』 がある分野というのは、言葉に 『強さ』 と 『芯』 が自然に含まれていくので、聞いているひとに心地よく伝わっていくものです。
今回、田中さんのお話を聞いていて、改めて 『フィロソフィー』 の大切さを実感しました。
一方で、ひとは生まれつきすべてのことについて 『想い』 と 『知識』 と 『経験』 を持っているわけではないので、自分自身が新しい分野へ挑戦するときというのは、『フィロソフィーのない状態』 で紆余曲折を経る(時に恥をかく)覚悟が必要になってくるということにもなります。
『フィロソフィー』 とは、『苦労を厭わず、たくさん汗をかいた』 個人と法人に持つことが許された特権なのかもしれません。