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【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。
『ツール・ド・フランス』 前哨戦の 『クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ』 が終了しました。
優勝したのは、昨年のツールチャンピオンである、クリストファー・フルーム(チームスカイ)。フルームにとって、ドーフィネで勝つことはツールに勝つための 『勝利の方程式』 になりつつあり、そういった意味でこの勝利は7月に向けて大きな一歩となることは間違いありません。
ここで、過去5年間の 『前哨戦 = クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ』 と、『本番 = ツール・ド・フランス』 の優勝者の関係性をチェックしてみましょう。
◯ 2016年
・ドーフィネ
1 FROOME Christopher
2 BARDET Romain
3 MARTIN Daniel
◯ 2015年
・ドーフィネ
1 FROOME Christopher ※
2 VAN GARDEREN Tejay
3 COSTA Rui
・ツール
1 FROOME Christopher ※
2 QUINTANA Nairo
3 VALVERDE Alejandro
◯ 2014年
・ドーフィネ
1位 TALANSKY Andrew
2位 CONTADOR Alberto
3位 VAN DEN BROECK Jurgen
・ツール
1位 NIBALI Vincenzo
2位 PERAUD Jean-Christophe
3位 PINOT Thibaut
◯ 2013年
・ドーフィネ
1位 FROOME Christopher ※
2位 PORTE Richie
3位 MORENO Daniel
・ツール
1位 FROOME Christopher ※
2位 QUINTANA Nairo
3位 RODRÍGUEZ Joaquim
◯ 2012年
・ドーフィネ
1位 WIGGINS Bradley ※
2位 ROGERS Michael
3位 EVANS Cadel
・ツール
1位 WIGGINS Bradley ※
2位 FROOME Christopher
3位 NIBALI Vincenzo
◯ 2011年
・ドーフィネ
1位 WIGGINS Bradley
2位 EVANS Cadel ※
3位 VINOKOUROV Alexandre
・ツール
1位 EVANS Cadel ※
2位 SCHLECK Andy
3位 SCHLECK Fränk
2014年を除いては、ドーフィネの総合1位、もしくは総合2位の選手がツールを制しています(2014年ツールではフルームとコンタドールは落車で揃ってリタイア)。
ちなみに2014年のツールチャンピオンであるニーバリは、この年のドーフィネを総合7位で終えています。
更に2010年のツールでドーピング陽性により優勝を剥奪されたコンタドールは、この年のドーフィネを総合2位でフィニッシュ。2009年はドーフィネ総合3位 ⇒ ツール総合優勝を果たしています。
2008年ツール優勝のサストレ、2007年ツール優勝のコンタドールも、成績こそ振るわなかったものの、その年のドーフィネを完走しています。
ということは、ドーフィネを走らずにツールの総合優勝を狙うナイロ・キンタナ(モビスター)の調整は、ある意味でここ10年のトレンドに逆らう新たなチャレンジということになります。
ツール開幕までのこり3週間弱。それぞれの最終調整を経て本番を迎えることになります。