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【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。
『UCIプロチーム』、『プロフェッショナルコンチネンタルチーム』、『コンチネンタルチーム』 と、来季のチームロースターが続々と発表されています。
私が自転車ロードレースと出会った1980年代前半の11〜12月という時期はオフシーズン真っ盛りであり、たまに伝わってくる欧州プロ選手たちのオフの動向というのは、なんというか非常に穏やかな感じのものが多かったと記憶しています。
当然、まだメンバーどころかスポンサーすら決まっていないチームがゴロゴロありました。
冬の間に体重が10kg近くも増加する選手がいたり、他のスポーツや趣味を満喫する姿などが紹介されると、『自転車ロードレースって優雅なスポーツなんだな』 という錯覚さえ覚えたものです。
その頃は、冬にシクロクロスや6日間レースなどに精を出すロード選手がいると、『真面目な選手』、時には 『鉄人』 とも形容されていたりもしました...
『冬にたっぶり休まないときついシーズンを乗り越えられない』 とまことしやかに語られていたのがとても懐かしく感じます。
時が過ぎ、翌シーズンに向けた動き出しが年々早くなっていき、今では11月頭に翌年に向けた最初のキャンプを行うチームが出現しています。
自転車ロードレースチームの契約期間は一般的に 1月1日〜12月31日 となっていますから、契約期間を約2ヶ月も残してライバルチームのキャンプに参加する(移籍する選手)という現象が起こっているのです。
間もなく12月になろうとしていますが、シーズン最初のレースで活躍を狙う選手は既にかなりの距離を走り込んでおり、トップフォームまでいかないにしても相応のコンディションを手に入れていることでしょう。
『古き良き時代』 という言葉がありますが、日々モガいていると、なんとなく懐かしさとともに、無いものねだりな感情が生まれてしまうのも人間らしさなのかもしれません...