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【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。
2月18日から2月22日までの5日間に渡り、スペイン・アンダルシア地方で開催された "太陽のレース" 『アンダルシア1周レース』 に於いて、現在のグランツールの2強、アルベルト・コンタドール(ティンコフ・サクソ)と、クリストファー・フルーム(チームスカイ)が早くも直接対決を繰り広げました。
昨シーズン、この二人が最初に顔を合わせたレースは、3月下旬に開催されたワールドツアー 『カタルーニャ1周レース』 でした。
ここでの成績は、コンタドール=総合2位、フルーム=総合6位という結果でした。
ちなみに、ツールまでの二人の出場レースは以下の様なカタチとなっていました。
◆コンタドール
2/19~2/23 : アルガルヴェ1周 総合2位(ステージ1勝)
3/12~3/13 : ティレーノ~アドリアティコ 総合優勝(ステージ2勝)
3/24~3/30 : カタルーニャ1周 総合2位
4/7~4/12 : バスク1周 総合優勝(ステージ1勝)
6/8~6/15 : クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ 総合2位
◆フルーム
2/18~2/23 : ツアー・オブ・オマーン 総合優勝(ステージ1勝)
3/24~3/30 : カタルーニャ1周 総合6位
4/27 : L-B-L 感染症の影響でDNS
4/29~5/4 : ツール・ド・ロマンディ 総合優勝(ステージ1勝)
6/8~6/15 : クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ 総合12位(ステージ2勝/第6ステージで落車)
直接対決は 『カタルーニャ』 と 『ドーフィネ』 の2回で、共にコンタドールに軍配が上がっていましたが、フルームが感染症や落車の影響を受けていたレースでもあったので、お互いがクリアーな状態での直接対決ではなかったともいえます。
そして、昨年はツールに向けてコンタドールの状態が非常に良かったことが改めてみてとれます。
そんな二人が、今シーズンはそれぞれのシーズン開幕戦で直接対決を演じ、まずはスロー調整気味のフルームが力を見せつけて勝利を飾りました。
◆2/18~2/22 ブエルタ・ア・アンダルシア
1aステージ : フルーム14位/コンタドール19位(集団ゴール)
1bステージ(個人TT) : コンタドール4位/フルーム10位(タイム差8秒)
2ステージ : フルーム12位/コンタドール23位(集団ゴール)
3ステージ : コンタドール1位/フルーム2位(タイム差19秒)
4ステージ : フルーム1位/コンタドール2位(タイム差29秒)
5ステージ : フルーム6位/コンタドール9位(集団ゴール)
個人総合 : フルーム1位/コンタドール2位(タイム差2秒)
現状では、ジロ&ツールへの出場を表明しているコンタドールの方が、ツール&ヴエルタへの出場を予定しているフルームよりも早目のコンディショニングなはずですが、それでもフルームが良いパフォーマンスを発揮しています。
とはいっても、ここでの成績がそのままツールでのパフォーマンスに直結するわけでもなく、一先ず参考程度としてみておく必要はあるでしょう。
ただ、ひとつ言えることは、2強それぞれが良いシーズンオフを過ごし、順調なカタチでシーズンインを果たしているということです。
次回、二人の直接対決は、3/11~17に開催される 『ティレーノ~アドリアティコ(J SPORTSで放送)』 の予定となっています。
先日、コンタドールが2016年シーズン限りでの引退を示唆しました。
ということは、『コンタドール vs フルーム』 の直接対決をツールで観れるのはあと2回のみ。
正直、まだ二人がベストな状態でツールでの優勝争いを演じたことは一度もありません。
そういった意味でも、今年のツールに向けた二人の動向をしっかりと追っていきたいと思います。