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【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。
2013年の 『ジャパンカップ』 で優勝を飾ったマイケル・ロジャース(サクソ・ティンコフ)の尿サンプルから禁止薬物のクレンブテロールの陽性反応がでてしまったとのことです。
現状ではAサンプルの陽性反応であり、この後ロジャースはBサンプルの再検査を要請できますが、そこでも陽性反応がでてしまった場合は相応のペナルティを受けることになります。
ロジャース自身は、ジャパンカップの直前に 『ツアー・オブ・北京』 に出場しており、そこで汚染された肉などを食べてしまったことが原因ではないかと主張している模様です。
中国では肥料などにクレンブテロールを混ぜるのはごく一般的とのことで、これまでもコンタドールをはじめ、多くの選手がクレンブテロールの“餌食”になってきました。
ただし我々外部の人間には真相はわかりません。
ハッキリしているのは、『ジャパンカップ』 という国内最高峰のロードレースの優勝者の尿から禁止薬物が検出され、今後一定の処分を課せられるだろうという事実です。
今回、ロジャースは被害者である可能性が高い気がします。
しかし、残念ながらこのニュースは 『ジャパンカップの優勝者がドーピング』 というヘッドラインで一般の人たちの間を瞬時に駆け抜けていきます。
これまでも ex-doper を雇ったチームが国内のロードレースで数多くの勝利を重ねてきた事例はあります。
ただ、今回のニュースは、真相はどうであれ日本のロードレース史上、最もインパクトのある“ドーピング事件”になってしまうかもしれません。
万が一、このことが原因で 『ジャパンカップ』 というレースが無くなってしまったら、僕たちはいったい誰に怒りをぶつければいいのでしょうか?