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【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。
photo(c):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
本日、宇都宮市役所に於いて、2014年の新体制発表会見を行いました。
GM:
廣瀬佳正(ひろせよしまさ/36)
監督:
清水裕輔(しみずゆうすけ/32)
選手:
鈴木真理(すずきしんり/38/キャプテン)
増田成幸(ますだなりゆき/30/新加入)
鈴木譲(すずきゆずる/28/新加入)
阿部嵩之(あべたかゆき/27/新加入)
大久保陣(おおくぼじん/25/新加入)
青柳憲輝(あおやなぎかずき/24/新加入)
堀孝明(ほりたかあき/21/U23)
城田大和(しろたやまと/19/U23)
ジャパンカップ前夜に行った記者会見でお伝えしましたように 『宇都宮ブリッツェン史上最高のメンバー』 と言っていい布陣となります。
2013年シーズンに設定した 『育成型チーム』 という方向性を敢えて変更して戦力強化を進めたのにはいくつか理由がありました。
なかでも最も大きな理由となったのが、国内レース界の戦力状況の変化という要素でした。
具体的に書くと、各チームが外国人選手を中心とした補強を行い、国内レースの(勝つための)難易度が飛躍的に向上したという部分です。
外国人選手の流入自体は良い事だと思いますし、その影響で国内レースのレベルも今後どんどん上がっていくことでしょう。
その上で、我々も勝利というものを期待されて活動している以上は、当然外部環境の変化に合わせた行動を起こす必要があったということです。
だからと言って闇雲な行動を選択したわけではなく、我々がこれまで大切にしてきたスタンスは変えずに今回の補強へも取り組みました。
そのスタンスとは 『まだ、攻撃的な人事は行わないという』 考え方です。
“まだ”と書いたように、決して攻撃的な人事というものを否定しているわけではありません。
ただ、レース界全体が未成熟な時期に、全体のバランスを崩すようなチームづくりは得策ではないと考えています。
今回もブリッツェン側から他チームの有力選手へ積極的なオファーを仕掛けたわけではありません。
あくまで来季宇都宮ブリッツェンに加入してくれる選手たちの“意思”をベースとして話を進めてきました。
もし、我々がお金の心配をせず、ポリシーを捨てて戦力強化のみにフォーカスしてチームづくりを進めたのであれば、今回発表した2014年メンバーよりも更に強力なチームを作れる選択肢も持っていました。
地域密着型チームという理想、レース界全体をデザインしたいという想い、地域貢献の重要性、スポンサーやファンの皆さんの期待を背負っている以上は勝たなくては行けない使命、etc、、、
これらの相反する要素を全て加味しながらチームというものを設定していく必要があります。
『宇都宮ブリッツェン史上最高のメンバー』 という表現を敢えて使ったものの、我々が求めるものは単純に“強さ”だけではありません。
もちろん、現場である清水新監督と新メンバーたちは貪欲に“強い勝ち方”を求めて毎レース戦いに挑むはずです。
そして、チームを応援してくださるファンの皆さんも精一杯チームを応援してくださることでしょう。
しかし、全ては宇都宮ブリッツェンが持つ一貫したフィロソフィーの上に成り立つべきなのです。
来季、私自身は後方支援という立場へと一歩下がりますが、このチームが育んできた哲学を、宇都宮ブリッツェンに関わる全ての人たちと共にこれまで以上に大切にしていきたいと思います。