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このブログについて

プロフィール写真【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。

栗村修の日常 2013年10月03日

ジャパンカップ

しゅ~くり~むら by 栗村 修
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昨日、『ジャパンカップ』 の国内出場チームが発表されました。

出場チームは以下の通りです。

チームNIPPOデローザ
チームブリヂストン・アンカー
愛三工業レーシングチーム
チーム右京
シマノレーシング

昨年、国内選抜対象枠で2位だった宇都宮ブリッツェンは、今期は対象レースで1Pも獲得できず、ランキングによる出場を逃す結果となっています。

尚、ジャパンカップにも、ツール・ド・フランスをはじめとする殆どの主要レースに設定してあるワイルドカード枠が設けてありますので、今期はそちらからの出場となる予定です。

地元チームがワイルドカードによって出場することは一般的とはいえ、やはりランキング外での出場というのは強さを競っている我々にとっては決して喜べるものではありません。

来期以降、宇都宮ブリッツェンがジャパンカップの独自ランキング内での出場を確保するためにやらなくてはいけないことを、自分なりに簡単に検証してみました。

まず、ジャパンカップの出場チームを決定する対象ランキング及び対象レースは以下のようになっています。

1. UCIチームランキング(上位3チーム)

2. 国内対象レースの独自ランキング(上位2チーム)
  ツール・ド・おきなわ(前年)
  ツアー・オブ・ジャパン
  ツール・ド・熊野
  全日本選手権ロードレース
  ツール・ド・北海道

『1』 のUCIチームランキングですが、こちらで上位につけるには、 『海外のUCIレースに積極的に参加する』 or 『ポイントを獲得するために強力な外国人選手を補強する』 という要素を満たしていかないと現状では厳しい面があります。

我々が主戦場として戦っているJプロツアーは残念ながら選考対象レースとなっていないので、『サッカーJリーグの様な国内リーグを創っていく』 という理想は捨てずに、スケジュールと予算を確保しながらUCIポイントを獲得できる海外レースへの参加を模索していかなくてはなりません。

次に、『2』の国内対象レースですが、こちらも全て国内のUCIポイントが付くレースとなっているので、結局は『1』の延長上と言って良い状況となっています。

今期はまず、ツアー・オブ・ジャパンで飯野選手が日本勢としては3番目となる総合成績を残したものの、ポイント圏内の総合上位は殆ど海外勢が占めたために我々の獲得ポイントはゼロ。

次の『ツール・ド・熊野』 でも、鈴木真理選手が日本勢としては3番目となる総合成績だったものの、TOJと同様な状況により獲得ポイントはゼロ。

最もポイント獲得のチャンスがあった 『全日本選手権ロード』 ではチーム全体が完全に沈んでしまいここでもポイントゼロ。

そして、先日開催された 『ツール・ド・北海道』 では、飯野選手が国内勢では4番目の総合成績だったものの、こちらもTOJ、熊野と同様に海外勢が上位を占めたために獲得ポイントはゼロとなりました。

この様にみていくと、ジャパンカップ独自ランキングによる出場を意識し過ぎた場合、『地域密着型』、『国内リーグの発展』、『選手の育成』など、我々が元々持っているチームコンセプトとある意味で対峙してしまうことが理解できます。

しかし、今後も地元枠での出場に甘んじ続けることは避けたいところ。

我々の理想を捨てずに改善を図れる方法としては、これまでは控えめにしてきた 『選手獲得』 の部分について、本気を出していくというステップがあります。

宇都宮ブリッツェンは選手を獲得する際、年俸総額の高騰や、他チームとの戦力のバランスなども考え、攻撃的な選手獲得はせずに、むしろ加入した選手の改善・育成に力を注いできました。

但し、チーム発足6シーズン目となる来季は、色々な面でステップアップしていく必要があると感じています。

まずは、日本人選手の雇用を最大化するためにも、『純和製』 最強チームを目指すことになります。

いずれ、本格的な世界挑戦を行う際には外国人選手の雇用も考える必要がありますが、現状では世界選手権などへの出場枠問題(日本チームに所属している外国人選手へUCIナショナルポイントが流れてしまっている)などもあるので、まずは日本人選手による最強チームを模索していきたいと思います。

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