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【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。
[数的不利の展開のなかで2位をもぎ取った宇都宮ブリッツェンの新エース飯野選手]
photo(c):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
本日、2013年Jプロツアー開幕戦となる 『JBCF伊吹山ヒルクライム』 が、岐阜県の伊吹山ドライブウェイで開催され、Team UKYO の新スペイン人選手 Jose Vicente TORIBIO ALCOLEA が圧倒的な力をみせて独走優勝を飾りました。
トリビオ選手は、昨年までスペインのプロコンチネンタルチーム“アンダルシア”に所属していて、3年連続でヴエルタ・ア・エスパーニャを完走しているほか、2011年にはヴォルタ・ア・ポルトガルでステージ優勝を飾っている強豪選手です。
その、トリビオ選手から遅れること約2分30秒後、全日本チャンピオンの土井選手(Team UKYO)、狩野選手(Team UKYO)、飯野選手(宇都宮ブリッツェン)の3人がゴール前に姿を現し、最後は宇都宮ブリッツェンの新エース飯野選手が得意のスプリントで二人を抑えてなんとか2位をもぎ取ってくれました。
更にその30秒後、飯野選手をレース終盤に助けた宇都宮ブリッツェン2年目の若手ライダー、堀選手が単独5位でゴールに飛び込みます。
堀選手は昨年のJプロツアー開幕戦で落車に巻き込まれ両手首を骨折する大怪我を負い、復帰して間もないレースで再び転倒して手首をもう一度折るという不運なシーズンを送った選手です。
なんとかクビを免れて背水の陣で挑んだ2回目の開幕戦、得意のヒルクライムレースでP1クラスタ初のトップ10フィニッシュを果たしました。
彗星のごとく現れ、Eクラスタで3勝してたった1年で宇都宮ブリッツェンに昇格した地元宇都宮出身のシンデレラライダーは、暗黒の1年を乗り越えて再び表彰台に上がったのです。
ドヤ顔王子と呼ばれた2年前のシーズン、しかし昨年はドヤ顔を見ることは一度もなく、このままレースの世界から消えてしまってもおかしくない状況を乗り越えて、ピュアホワイトジャージに袖を通しました。
しかし、堀選手はようやくスタート地点についたに過ぎません。
これまで中村キャプテンから数えきれないほど怒鳴られてきましたが、この先も覚えることは山ほどあります。
宇都宮生え抜きライダーの挑戦は、まだはじまったばかりです。
[2011年JBCF西日本クラシックE3クラスタでロードレース初優勝を飾りドヤ顔をみせる堀選手]
photo(c):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS
[辛い1年を過ごした堀選手が再びポディウムに上がりピュアホワイトジャージに袖を通す]
photo(c):Tatsuya.Sakamoto/STUDIO NOUTIS