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【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。
現在、マレーシアで開催されているUCI-2.HCのステージレース 『ツール・ド・ランカウイ』。
残すところ明日の最終日のみとなりましたが、現在総合首位に立っているのはチームニッポのコロンビア人ライダー、アレドンド(24歳)です。
多くのトップチームが出場するこのレースに於いて、ディビジョン3に位置するコンチネンタルチームが総合優勝を果たすということはまさに快挙といえます。
しかも、今回のニッポのメンバーには二人の大学生選手(鹿屋体育大学)が含まれており、このレベルのレースへの参加はほぼ初めてとなる彼らにとってはこれ以上ない経験となっていることでしょう。
また、今年のランカウイでは24歳の中国人ライダー、ワンがステージ優勝を飾って一時総合首位に立つという素晴らしい走りをみせており、現在もアジア人トップの総合5位につけています。
ここ数年、UCIプロチームやプロコンチネンタルチームなどのトップチームと、それ以下のチームとの力量差がグンと縮まってきている感じがします。
更に活躍する選手の国籍もよりグローバル化しています。
これらは、自転車界がより良い方向へと向かっているシグナルだと解釈するべきなのでしょうか?
現在、総合首位に立っているニッポのアレドンドは、昨シーズンVISAの関係で大半を母国コロンビアで過ごし、本場でのレース出場機会も殆ど無かったと報道されています。
にも関わらず、昨年のジャパンカップでは強豪に混じって4位のリザルトを残し、さらに今回のレースでは総合優勝をほぼ手中に収めかけているわけですから、『才能』というものの重要性を痛いほど感じさせられます。
普通に考えると、アレドンドは来季ビッグチームへと移籍する可能性が高いわけですが、強くなる選手というのは放っておいても勝手にレース界の階段を駆け上がっていきます。
アジア最高クラスのステージレースである 『ツール・ド・ランカウイ』 に於いて、日本人選手が総合優勝を果たすための方法を真剣に考えていかなければですね。
まあ、『ツール・ド・フランス』 での総合優勝を目指すのであれば、それほど時間をかけずに達成しなければいけない課題なわけですが…
※写真は第1回ツール・ド・ランカウイに出場した時のもの。向かって左の金髪坊主頭が私(24歳)。個人総合32位(アジア人3位)でした。。。