今年も多くのドラマが生まれた『箱根駅伝』。

たくさんの人達へ数えきれないほどの感動を提供したことでしょう。

そんな86回目を迎えた偉大なスポーツイベントである 『箱根駅伝』 ですが、読売新聞社が共催というところも含めて、今年で100回目の記念大会開催を迎える 『ツール・ド・フランス』 とかぶるところが多々あります。

ちょっと勉強のためにと WiKi で確認してみたところ驚いたことが一つありました。

箱根駅伝って 『大学駅伝の地方大会』 なんすね

そういえば走っているのは関東の大学ばかり…

全国大会としては、『出雲駅伝』 と 『全日本大学駅伝』 があるわけですが、『箱根駅伝』 の存在が大きく影響しているせいか、全国レベルの駅伝大会でも上位校はほぼ関東の大学で占められています。

大学の一地方大会が、あれだけ大規模かつ高い知名度と盛り上がりを誇っているなんて…

改めて、スポーツというものは 『ただ単に競技力のみを求めても幸せにはなれないんだ』 ということを実感してしまいます。

マーケティングなどを無視し、競技力の追求のみにフォーカスして実際に世界の頂点に立った日本のスポーツというものは多々あると思います。

しかし、周りを巻き込まずに世界の頂点に立ってしまうと、もうそのスポーツにはそれ以上 『お金』 も 『人』 も集まってこなくなってしまいます。

キツイ言い方をすれば、安易に世界一になってしまったことで、そのスポーツ全体でみると 『自分で自分の首を締めてしまう』 ことに繋がってしまったわけです。

逆に、これまでも何度も書いてきたように、サッカー（Jリーグ）というのは、本当にその辺りをうまく構築してきました。

Jリーグ発足時のチェアマンだった川淵氏の講演を聞きにいったことがあるのですが、その中で 『Jリーグ発足時のリーグのレベルは正直かなり低かった。そのレベルの低さをカバーするためにウェアのデザインや照明など多くの要素を工夫した。』 という内容を語られていました。

純粋にサッカーのゲームレベルでみると、国内のリーグ戦やワールドカップのアジア予選などは決してレベルは高くないのでしょうが、そのレベルから多くの人達を巻き込み盛り上がりをつくって裾野を広げていった結果、頂点であるワールドカップの価値が国内でどんどん高まっていくという好循環を生み出したのです。

そして現在、日本サッカーのレベルは20年前ではとても考えられなかったようなレベルに達しています。

結局のところ、ある国で特定のスポーツが発展するかどうかは、その国の多くの国民が関心を持ち、更にその国の大手企業がお金を出すかどうかに懸かっています。

ツールに出場しているようなトップチームのスポンサーを見ても、殆どがそのチームが本拠地としている国の企業をメインスポンサーに付けています。

海外で活動している日本チームのメインスポンサーも100%日本の企業です。

ですから、その国に於ける対象スポーツの認知度＝マーケティングというのは絶対に無視できない要素なのです。

踏み込んだ言い方をするならば、『マーケティングを無視している＝実は本気で強化を考えられていない』 ということに繋がっていくでしょう。

先ほど、増田選手が2年間書き続けたブログのデータを彼に送るために書き出し作業を行なっていました。

そこで1枚の写真を見つけました。

JISS でのリハビリ中に増田選手の携帯電話で撮影した画像です。

マンチェスター・ユナイテッドに移籍した選手と、キャノンデール・プロサイクリングに移籍した選手が写っています。

ドラマとは 『作る』 ものではなく 『生まれる』 ものですが、しかし 『伝え』 なければなんの価値も 『生みださない』 のです。

そろそろ、オ◯ニースポーツを卒業しましょう。