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【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。
10月22日に、UCI(国際自転車競技連合)のマックエイド会長が記者会見を開き、ランス・アームストロングのタイトル剥奪(ツール・ド・フランス7勝を含む)と、自転車競技界からの永久追放処分を発表したとのこと。
このニュースは全世界にビッグニュースとして配信されています。
私自身、これまで大きなドーピング関連のニュースが出た際は、なるべくこのブログで正しい状況や個人的見解などをお伝えするように努力してきました。
しかし、ここ数年のドーピング関連のニュースというのは、私の知識ではもはや対処できないレベルまできており、特に今回のランス・アームストロングに関するスキャンダルについては、ただただ驚きながら状況を見守るだけという状態でした…
私もかつて5流のプロレーサーでしたので、当時からロードレース界の一部にパフォーマンス向上のための薬品が存在していることは知っていました。
ただし、それが現在明らかになっているような大規模かつ計画的なものであったことは知らず、また、フェスティナ事件以降はそれらが改善しているという認識を持っていました。
正直なところ、『もう落ちるところまで落ちないと無理なのかなか?』と思ってしまうことがあります。
現在のトップクラスのプロトンというのは、以前に比べてクリーンになっていると言われていますし、実際にそうだと思います。
アンチ・ドーピングを掲げて懸命に戦っている選手やチームが一定数いるのもたしかでしょう。
しかし、ここまで多くのスキャンダルが続いてしまうと、一般の人たちから『どうせ強い選手はみんなやってるんだろ』という言葉が聞こえてきてしまうのもまた事実…
かつて、ツール・ド・フランスでステージ優勝を飾りながら、禁止薬物使用により出場停止処分を受け、地獄を味わってそこから這い上がってきた選手がいます。
ガーミン・シャープに所属しているデイビッド・ミラーです。
彼が、撤退を決めたラボバンクに対して送った言葉が印象的でした。
『過去を構成してきた我々には未来に対しても責任がある』
追放される者がいたとしても、逃げだす者があってはならないということです。