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このブログについて

プロフィール写真【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。

栗村修の日常 2010年09月27日

マイナーとメジャーの境界線

しゅ~くり~むら by 栗村 修
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自転車ロードレースは日本ではマイナースポーツ…

これまでずっとこの様に表現されてきましたし自分自身もずっとそう思っていました。

しかしよく考えるとマイナーとメジャーの境界線ってなんだろう…

メジャースポーツを目指すっていったいどこに向かうことを表しているのか?

先日、あるメジャースポーツと言われている組織で働いている方に、「マイナースポーツ時代は志と勇気を持った人たちが集まって立ち上がり、メジャースポーツに成長したあとは利害意識を持った人たちが集まってきた」という話を聞きました。

一般的には、マイナー=悪、メジャー=正義、と定義されていますが、すべてをこの定義で片付けるのは間違っている気もします。

いま、この国で自転車ロードレースに関わっている人たちの多くは、「お金のため」ではない、「情熱ベース」で生きている人たちが殆どだと理解しています。

特に選手たちというのは、常に自らの命を危険に晒しながら、なんの将来の保証もない状態で苦しいトレーニングを続け、ただ勝つためだけにこのスポーツに多大なエネルギーを傾けています。

自分も選手だったので解りますが、説明できない魅力(魔力?)がこのスポーツにあります。

しかし、ある意味でこのピュア過ぎる状況というのが、一般社会との格差を生み出しているのも事実…

どこかで、情熱と現実に折り合いをつけなければならないのでしょう。

大きな事業を興した経営者や、大きな組織をまとめるリーダー、そして偉大な経済学者などは、皆口を揃えて「人のために」というキーワードを使います。

利益絶対主義や経営の効率化などだけにとらわれた事業というのは、いずれ社会からなんらかのペナルティを受けることが多いように思います。

「人のために」という言葉は、偽善的な表現方法なんだろうと思っていましたが、どうやらそうではないのかもしれません。

情熱を持って生きている人たちの“情熱”のために。

そのために必要な、経済力、社会への影響力、情報発信力などを構築する。

「メジャースポーツ」という言葉は、“目標”ではなくて、“結果”でなければいけません。

人のために…

この言葉の上に成り立つメジャー化を目指すべきなのでしょう。

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