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サイクル ロードレース コラム 2024年5月23日

【ジロ・デ・イタリア2024 レースレポート:第17ステージ】シュタインハウザーがマリア・ローザの追撃を振り切りプロ初優勝!自分に言い聞かせた”勝利”の可能性

サイクルロードレースレポート by 山口 和幸
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総合3位ゲラント・トーマス(イギリス)を2位に浮上させたいイネオス・グレナディアーズは2回目の上りでメイン集団を牽引し始めたが、設定速度が低すぎてシュタインハウザーを捕まえることができなかった。代わりに総合2位マルティネスが攻撃を仕かけるが、ポガチャルを突き落とすことはできない。ついにはポガチャルがアタックするとそれに付いていくことができない。

あいにくの雨天もピンクの傘で洒落た演出に

前日の逆転シーン再来かもとも思わせたが、シュタインハウザーは「グランツールのステージで勝つためには、できるだけ身軽でいなければならないと思っていたので、グローブなど不要なものを脱いだ。パワーメーターなしで走った」と栄冠を目指して走り、ついに逃げ切った。

パッソ・ブロコンを二度トップで上ったことになったシュタインハウザーがプロ初勝利を収めたのである。2001年生まれの22歳は手足の長いクライマーで、身長189cm、体重65kgの現代っ子。この大会ではポガチャルが3勝目を挙げた第8ステージの難関コースで存在感をアピールし、さらにポガチャル4勝目の第15ステージで3位になっている。

「ポガチャルが集団からアタックしたと聞いたとき、僕は震え上がったよ」と言うが、最後までポガチャルに捕えられずにフィニッシュして、「信じられないことだよ。第8ステージですでに調子がいいことに気づいていたので、もしかしたらステージ優勝できるかもしれないと思っていた。クイーンステージの第15ステージも素晴らしい一日だった。3位で今回のジロ・デ・イタリアは成功したと感じた。そして今日、逃げに乗ったとき、今日は勝てるかもしれないと自分に言い聞かせた」と言う。

シュタインハウザーがプロ初優勝

「今日はとても楽しい旅だった。そのために苦しむのが好きでなければならない。みんなの前を走るだけでも最高の気分だし、フィニッシュまでたどり着けるのは特別なことだ。それでも最後の登りは緊張した。フィニッシュまでプッシュしなければいけないことは分かっていた。ポガチャルがアタックしていると聞いたけど、あと残り2kmだった。これが大きなキャリアの始まりになることを願っている」(シュタインハウザー)

「今日はシュタインハウザーが勝ててうれしかった。彼は素晴らしい走りをした。彼は最初の逃げ集団にいて、追いつかれても再び先行したのだから脱帽だ」とポガチャル。

「明日は平坦なステージだ。フアン・モラノがルイ・オリヴェイラと協力して集団スプリントで運をつかむことを期待したい。その後、逃げがそのまま行くはずのミディアムステージが1つあり、第20ステージのバッサーノ・デル・グラッパはスロベニアからそれほど遠くないから、多くのファンが見にきてくれることを期待している」(ポガチャル)

文:山口和幸

代替画像

山口 和幸

ツール・ド・フランス取材歴25年のスポーツジャーナリスト。自転車をはじめ、卓球・陸上・ボート競技などを追い、日刊スポーツ、東京中日スポーツ、Number、Tarzan、YAHOO!ニュースなどで執筆。日本国内で行われる自転車の国際大会では広報を歴任。著書に『シマノ~世界を制した自転車パーツ~堺の町工場が世界標準となるまで』(光文社)。2013年6月18日に講談社現代新書『ツール・ド・フランス』を上梓。青山学院大学文学部フランス文学科卒。

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