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【ジロ・デ・イタリア2024 レースレポート:第15ステージ】天下無敵。最難関ステージを射止め、ポガチャルのピンクはさらに色濃く。「今の自分に満足している。タイム差も、チームも、すべてにおいて」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかカーデン・グローブスとカレブ・ユアン、2人のピュアスプリンターさえ潜り込んだ逃げ集団は、最大5分半のタイム差をつけた。総合最上位は9分11秒遅れのマイケル・ストーラーで、逃げの途中には暫定表彰台まで競り上がった。もちろん、すでに総合2位以下に3分41秒差をつけていたポガチャルにとっては、痛くも痒くもなかったはずだ。
虎視眈々とメイン集団を牽引するポガチャルとUAEチーム
それでもUAEは、チーム一丸となって集団牽引に励んだ。理由はただひとつ。12月のコース発表時から、ポガチャル本人が、この日は絶対に勝とうと決めていたから。フィニッシュ地のリヴィーニョは、繰り返し高地合宿に訪れた地だったし、なによりも婚約者の「ウルシュカと初めてデートをした想い出の場所」だったから!
そんなエースの野望を叶えるために、2級山岳後の谷間の平地では、スプリンターのフアン・モラノを含む3人が長らく先頭を引いた。1級モルティローロでは、まずはヴェガールスターケ・ラエンゲンが、さらにはドメン・ノヴァクが、黙々と任務を全うした。他のチームは一瞬たりとも作業に協力しなかったが、構わなかった。
一方、人数が多すぎたせいか、先頭集団の足並みは必ずしも揃わなかった。アスタナカザクスタンやバルディアーニは早めに仕掛けることを好み、そのたびに他の山岳巧者たちは脚を削っていく。繰り返される離合集散。残り24km、この日4番目の、すなわち最後から2番目の1級山岳に足を踏み入れる頃には、先頭は10人にまで絞り込まれていた。いまだリードは3分以上も残っていた。
実はこの3分という差に、UAEの監督勢は、少々焦りも感じていたのだという。しかも1級に上り始めた直後、逃げ集団内から、ゲオルグ・シュタインハウザーが加速を切った。元プロ選手の息子にして、元ツール総合覇者ヤン・ウルリッヒの甥である22歳は、たくましい足取りで先を急ぎ始めた。マリア・ローザ集団に対するリードも、3分45分にまで押し広げた。
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