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【速報 ジロ・デ・イタリア2024】今大会初の逃げ切り勝利を成し遂げたのはバンジャマン・トマ/第5ステージ
サイクルNEWS by J SPORTS 編集部バンジャマン・トマが嬉しいワールドツアー初勝利
リグリア海が青く光るジェノヴァからルッカまで178kmの丘陵ステージ、3級と4級山岳がひとつづつ立ちはだかる。この日のファーストアタックはコフィディスの選手で、追いかけたマッティア・バイス(ポルティ・コメタ)、ルイス・アスキー(グルパマ・FDJ)、マヌエーレ・トロッツィ(VFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネ)、シモン・ゲシュケ(コフィディス)の4人で先頭グループを形成。メイン集団はスーダル・クイックステップ、リドル・トレックが牽引しタイム差は1分半前後に留めている。
3級山岳に入るとアルペシン・ドゥクーニンクを中心にペースアップ、ファビオ・ヤコブセン(dsmフィルメニッヒ・ポストNL)が集団から遅れて、ティム・メルリール(スーダル・クイックステップ)、フェルナンド・ガビリア(モビスター)、カレブ・ユアン(ジェイコ・アルウラー)もついていけなくなっていた。山頂をゲシュケが先頭通過、下りに入るとメイン集団は先頭4人に追いつき、メルリールのグループもほどなく最後尾に戻っており、ヤコブセンは3分半遅れていたものの、集団のペースが落ち着いていたため無事に集団復帰できた。
動きのないまま中間スプリントポイント手前でクリストフ・ラポルト(ヴィスマ・リースアバイク)が落車、カーデン・グローブス(アルペシン・ドゥクーニンク)、オラフ・コーイ(ヴィスマ・リースアバイク)、ジョナサン・ミラン(リドル・トレック)の順でポイントを獲得、その直後の補給のタイミングでバンジャマン・トマ(コフィディス)がアタック、エンゾ・パレニ(グルパマ・FDJ)、アンドレア・ピエトロボン(ポルティ・コメタ)、ミケル・ヴァルグレン(EFエデュケーション・イージーポスト)の4人で抜け出すことに成功、早々に1分
半のタイム差をつけた。
インテルジロはピエトロボン、第2中間スプリントポイントは争わずトマが、4級山岳はヴァルグレンが先頭通過、タイム差は残り距離20kmで56秒、残り距離10kmで44秒。追うメイン集団はリドル・トレックの選手たちが中心に追いかけるもアルペシン・ドゥクーニンク、スーダル・クイックステップとの連携はちぐはぐで、アルペシン・ドゥクーニンクは3級山岳での消耗が色濃く脚を使い果たしてしまった。
後続とのタイム差は22秒でフラムルージュ、ラスト800mでピエトロボンがロングアタック、大きく突き放し決まったかに見えたがパレ二が猛追、ヴァルグレンとトマがフィニッシュ手前30mで追いつき横並にび、僅差でトマが先にフィニッシュラインへ飛び込んだ、嬉しいワールドツアーでの初勝利がジロ・デ・イタリア、そして今季のコフィディス初勝利をもたらした。
「ラスト1kmで優勝を逃したカルカッソンヌ(2022年ツール・ド・フランス 第15ステージ)を思い出し今日こそはと思った、コフィディスでの初勝利を達成できてうれしい、みんなとても喜んでいた」トマ、ステージ勝利後インタビュー
J SPORTS サイクルロードレース【公式】YouTubeチャンネル
【ハイライト】ジロ・デ・イタリア 第5ステージ|Cycle*2024
ステージ順位
1 バンジャマン・トマ(フランス/コフィディス)in 03h 59' 59''
2 ミケル・ヴァルグレン(デンマーク/EFエデュケーション・イージーポスト),,
3 アンドレア・ピエトロボン(イタリア/ポルティ・コメタ),,
4 エンゾ・パレニ(フランス/グルパマ・FDJ)+ 00' 03''
5 ジョナサン・ミラン(イタリア/リドル・トレック)+ 00' 11''
6 カレブ・ユアン(オーストラリア/ジェイコ・アルウラー),,
7 フィル・バウハウス(ドイツ/バーレーン・ヴィクトリアス),,
8 ティム・メルリール(ベルギー/スーダル・クイックステップ),,
9 オラフ・コーイ(オランダ/ヴィスマ・リースアバイク),,
10 マディス・ミケルス(エストニア/アンテルマルシェ・ワンティ),,
個人総合順位
1 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)in 19h 19' 15''
2 ゲラント・トーマス(イギリス/イネオス・グレナディアーズ)+ 00' 46''
3 ダニエル・マルティネス(コロンビア/ボーラ・ハンスグローエ)+ 00' 47''
4 キアン・アイデブルックス(ベルギー/ヴィスマ・リースアバイク)+ 00' 55''
5 エイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア/モビスター)+ 00' 56''
6 ロレンツォ・フォルトゥナート(イタリア/アスタナカザクスタン)+ 01' 07''
7 フアン・ロペス(スペイン/リドル・トレック)+ 01' 11''
8 ヤン・ヒルト(チェコ/スーダル・クイックステップ)+ 01' 13''
9 アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン/アスタナカザクスタン)+ 01' 26''
10 エステバン・チャベス(コロンビア/EFエデュケーション・イージーポスト),,
ポイント賞
1 ジョナサン・ミラン(イタリア/リドル・トレック)134 Pts
2 ティム・メルリール(ベルギー/スーダル・クイックステップ)89 Pts
3 カーデン・グローブス(オーストラリア/アルペシン・ドゥクーニンク)80 Pts
山岳賞
1 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)51 Pts
2 リリアン・カルメジャーヌ(フランス/アンテルマルシェ・ワンティ)32 Pts
3 ダニエル・マルティネス(コロンビア/ボーラ・ハンスグローエ)26 Pts
ヤングライダー賞
1 キアン・アイデブルックス(ベルギー/ヴィスマ・リースアバイク)in 19h 20' 10''
2 アレックス・ボーダン(フランス/デカトロン・AG2Rラモンディアル)+ 00' 45''
3 マウリ・ファンセヴェナント(ベルギー/スーダル・クイックステップ)+ 00' 49''
チーム総合順位
1 イネオス・グレナディアーズ(イギリス)in 58h 02' 47''
2 アスタナカザクスタン(カザフスタン)+ 00' 14''
3 ボーラ・ハンスグローエ(ドイツ)+ 00' 55''
リタイア
96 アドリアン・プティ(フランス/アンテルマルシェ・ワンティ)
コースマップ
5月9日(木) 第6ステージ
ヴィアレッジョ > ラポラーノ・テルメ
180 km(丘陵 ★★★☆☆/獲得標高 1900 m)
うねる道、白い道、忘れられた道、そして壁
注文の多いステージ。トスカーナの大地を駆け抜けるコースは、無数のうねりをはらみ、ストラーデ・ビアンケでおなじみの「白い道」も待ち受ける。勝者に求められるのはタフな脚と、グラベルを乗りこなす技術と、なにより、あらゆるトラブルを拒絶する強運。特に総合本命たちは、小さな不運で大きなタイムを失ってしまわぬよう、細心の注意を払わねばならない。
『蝶々夫人』や『トゥーランドット』で知られる作曲家ジャコモ・プッチーニが暮らし、愛し、その名を冠するトーレ・デル・ラーゴ・プッチーニへ、プッチーニ没後100周年の今年、創設115年のジロはオマージュを捧げる。そのヴィアレッジョの小さな集落から南東へ進路を取ると、序盤70kmはひたすら平地を急ぐ。
コース真ん中の4級山岳は、丘陵地帯の入り口に過ぎない。そこから小さな起伏をいくつもこなし、ラスト50km、いよいよプロトンは計3セクター・通算11.3kmの未舗装路へと飛び込んでいく。
序盤の2セクターは、ストラーデ・ビアンケでも1番目と2番目に登場することでおなじみ。ただ1番目は3月には使われないゾーンへも足を踏み入れ、距離は2.1km→4.4kmと2倍に。その上、間髪入れずに、続く全長4.8kmのセクターへと突入する。第2番目のセクターの終わりには、4級山岳グロッティが立ちはだかる。登坂距離3.4km・平均勾配4.9%の白い坂道は、最大勾配15%まで跳ね上がる。
一方で残り18km地点から始まる第3セクターは、開催委員会曰く「忘れられた道」。ストラーデ・ビアンケを2度制したタデイ・ポガチャルにとっても未知の未舗装路は、全長2.4km。小さく曲がりくねり、勾配5%前後の上りも顔を出すのだとか。
ラスト15.5kmで白い道には完全に別れを告げるが、トリッキーな1日が終わったわけではない。ラポラーノ・テルメにたどり着く寸前、小さな「壁」が、グラベルで疲弊しきった脚を襲う。全長1.2km・平均勾配8.4%の坂道の終わりは、勾配18%超・最大20%にも至るという!壁をよじ登ったら、フィニッシュまでは4.2km。あとはひたすら全速疾走だ。
コースプロフィール
ステージ詳細テキスト:宮本あさか
J SPORTS 編集部
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