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【2024展望 | サイクルロードレース】新しい年は、新しい物語の始まり。熱狂必至の新シーズンが幕を開ける!
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかグランツール総取りのユンボ・ヴィスマ
新しい年は、新しい物語の始まり。真夏の南半球で幕を開ける2024シーズンは、たくさんの明るい期待に満ちている。初春のヨーロッパを彩る伝統のモニュメント。いつも以上に楽しみなジロ・デ・イタリアと、いつもとちょっと違うツール・ド・フランス。チャンピオンたちの視線の先にはきっと、4年に1度の夏季五輪もあるはずだ。
■2023年は、超大物たちによる独占だった
過ぎていったシーズンを思う時、脳裏に浮かぶのは、1つの強大なチームと、3人の偉大なるチャンピオン。彼らが紡ぎ出した栄光の記録と、興奮の記憶。
グランツールのピンク、黄色、赤の3つの総合リーダージャージは、すべてユンボ・ヴィスマ色に染まった。しかも春のジロ・デ・イタリアを持ち帰ったプリモシュ・ログリッチと、夏にツール・ド・フランス連覇を果たしたヨナス・ヴィンゲゴーとが、自らを山で懸命に支えてきてくれたセップ・クスの秋のブエルタ・ア・エスパーニャ初戴冠を、そろって表彰台の上で祝った。
これほどまでの独占を、自転車界は、いまだ経験したことはない。総合表彰台の3つの場所に同じチームの選手が並ぶのは、1966年ブエルタ以来57年ぶりであり、ジロ、ツール、ブエルタを同一シーズンで同一チームがすべて勝ち取るのは、正真正銘、史上初めてだった。
5つのモニュメントと、2つのロード世界選手権に関してもやはり、わずか3人だけでタイトルを分け合った。
タデイ・ポガチャル
タデイ・ポガチャルは、ツール・ド・フランス優勝経験者としては、あのエディ・メルクス以来48年ぶりのツール・デ・フランドル勝利を成し遂げた。すでにリエージュ〜バストーニュ〜リエージュとイル・ロンバルディアを獲得済みの24歳(当時)にとって、つまり「メルクスに次ぐ史上2番目に若い年齢」でのモニュメント3種類獲得。
すぐにマチュー・ファンデルプールも肩を並べた。これまでのフランドル2勝に加えて、昨春、ミラノ〜サンレモとパリ〜ルーベを一挙に制圧した。しかも冬のシクロクロス世界選手権に続いて、夏のロードレース世界選手権でも頂点に君臨するという無双っぷりで、CXとロードの同一年世界制覇を成功させた「史上唯一」のチャンピオンになった。
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