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サイクル ロードレース コラム 2023年9月1日

【ブエルタ・ア・エスパーニャ2023 レースレポート:第6ステージ】大逃げが決まり個人総合争いが大シャッフル “スーパーアシスト”セップ・クスが鮮やか逃げ切り、20歳レニー・マルティネスは「インドゥライン超え」のマイヨ・ロホ

サイクルロードレースレポート by 福光 俊介
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スーダル・クイックステップでは、数日前からウイルス感染が蔓延しているとの情報もあり、このステージではアンドレア・バジオーリがリタイア。日々慎重に過ごしていることをレムコも認めているが、自身の走りはそれに影響されたものではないと主張する。

「最後の2kmを踏ん張れたのは不思議な感覚だった。フィニッシュ500m手前でもう一度踏み込めたし、これがバッド・デイなのだとしたら、力が残っていた僕は幸運なんじゃないかと思う」(エヴェネプール)

激動の1日を終えて、マイヨ・ロホはマルティネスへ移った。このステージが始まるまでは個人総合3位。うまい具合に逃げに乗り込んで、ステージ優勝争いにも加わった。クスにはついていけなかったが、26秒差にまとめたことでレースリーダーの座が舞い込んできた。祖父は1978年にツール山岳賞のマリアーノ・マルティネス、父は2000年シドニー五輪マウンテンバイク金メダルのミゲル・マルティネスという、自転車一家に育ったサラブレッド中のサラブレッド。そんなスーパースターの血を引くヤングライダーは、ミゲル・インドゥラインが持つ最年少リーダー記録(20歳283日)を更新し、20歳51日でマイヨ・ロホに袖を通した。

レニー・マルティネス

レニー・マルティネス

「逃げは狙っていたけど、ここまでの結果は想像していなかった。グランツールのトップに立つという夢がこんなに早くかなうとはね。今大会の目標は個人総合上位。明日からはできるだけ長くリーダージャージを着続けられるようチャレンジしていくよ」(レニー・マルティネス)

個人総合順位は大シャッフル。逃げた選手たちがトップ8までを占め、レムコは9位までランクを下げた。マルティネスとの差は2分47秒。ヴィンゲゴーとログリッチはそれぞれ2分52秒差、2分58秒差としている。

何より、ユンボ・ヴィスマはクスが8秒差の2位につけ、ありとあらゆる戦術が試せる状況を作り出している。チームはこの先どう展開していくつもりだろうか。

「チームリーダーはあくまでログラ(ログリッチ)とヨナス(ヴィンゲゴー)。僕の役割は明日からも変わらないよ。マルティネス? 若いのにあんなに強いなんてね。でも彼は初のグランツールだし、3週間のレースは他とはまったく要素が異なる。彼がどこまで戦えるのかを見ていかないといけないね」(クス)

この先のシナリオは、誰がどう描き上げるのか。楽しみは尽きない。

文:福光 俊介

福光 俊介

ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う

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