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【ブエルタ・ア・エスパーニャ2023 レースレポート:第6ステージ】大逃げが決まり個人総合争いが大シャッフル “スーパーアシスト”セップ・クスが鮮やか逃げ切り、20歳レニー・マルティネスは「インドゥライン超え」のマイヨ・ロホ
サイクルロードレースレポート by 福光 俊介無料動画
【ハイライト】ブエルタ・ア・エスパーニャ 第6ステージ|Cycle*2023
その証拠に、40人を超えた先頭グループには、スタート時の個人総合トップ25のうちの11人が乗り込んだのだ。偶然か必然か分からぬまま“出港”した大船は、2カ所の3級山岳を越える間にメイン集団との差を7分まで広げた。
ともすれば意思統一が難しい大人数の逃げだが、この日ばかりは違った。統率を担ったのは、4人を送り込んでいたユンボ・ヴィスマだった。巡航のスペシャリスト、ディラン・ファンバーレが主に統率を担って絶妙なペースを作り出す。中間地点を過ぎてからはスーダル・クイックステップを中心にメイン集団もスピードを上げ、タイム差は3分台まで縮まるが、それ以上の変化が生まれない。フィニッシュ前21kmに置かれた中間スプリントポイントも逃げメンバーが占め、最後の上りであるピコ・デル・ブイトレに達しても3分台で変わらず。
もっとも、メイン集団は急激に人数が減り、前を追おうにも思うように追いきれない状況へと転じつつあった。ピコ・デル・ブイトレの入口からはモビスター チームがペースを上げようと試みたが、結果的にアシスト陣が脚を使いすぎた格好に。スーダル・クイックステップが再び牽引役に戻ったが、彼らだって残された脚は限られている。差は一向に縮まらない。
俄然優位となった先頭グループでは、エイネルアウグスト・ルビオ(モビスター チーム)のアタックを機にいよいよステージ優勝争いが本格化。ロマン・バルデ(チーム ディーエスエム・フィルメニッヒ)、レニー・マルティネス(グルパマ・エフデジ)が追走に動くと、少し時間をおいてクスも腰を上げた。まずバルデとマルティネスをかわすと、ルビオにも追いついてすぐに独走態勢に入った。
数分後ろを走るメイン集団でも、事態は急変していた。ログリッチのアタックによって精鋭メンバーが散り散りに。驚きは、レムコが反応しきれなかったことだ。これを見たエンリク・マス(モビスター チーム)やフアン・アユソ(UAEチームエミレーツ)が、一気にペースを上げてログリッチへの合流を図る。彼らの監視役にヴィンゲゴーがつき、ユンボ・ヴィスマは盤石の体制。この時点で、レースの主導権を握っているのは明白だった。
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