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サイクル ロードレース コラム 2023年7月21日

【ツール・ド・フランス2023 レースレポート:第18ステージ】怪我や体調不良を乗り越えたカスパー・アスグリーンが全行程逃げてツール初勝利。ヴィンゲゴーら総合勢は変動なし

サイクルロードレースレポート by 福光 俊介
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逃げの先頭を走るカスパー・アスグリーン

逃げの先頭を走るカスパー・アスグリーン

ただ、逃げる4人も粘る。もっとも、牽引力や巡航力に定評のあるメンツばかりなのだ。タイムトライアルを得意とするアスグリーンとカンペナールツ、普段はスプリントトレインの牽引役を務めるエインコールン。異色なのは2017年のエタップ・デュ・ツール(ツールの1区間を一般サイクリストが走ることのできるイベント。順位も争われる)で優勝しているアブラハムセン。

「あの当時の体重は60kgだったんだ。いまの体重は……80kg。当時ほどは上れなくなってしまったよ(笑)」(ヨナス・アブラハムセン)

ともかく、スピードに乗せたら強いのだ。残り4kmから緩やかな下り基調であることも彼らを勢いづかせた。メイン集団ではスーダル・クイックステップ勢が追撃の芽を摘み続けている。残り3kmではタイム差8秒。メイン集団ではアルペシン・ドゥクーニンクを中心に追いかけているが、差は縮まらない。数秒差のまま最後の1kmを切った。

2人控えるロット勢から、カンペナールツが牽引役を担う。残り400mまで引っ張って、そこからはあとの3人での勝負。牽制気味になったことで追い上げを急ぐ後続が迫ってきたが、フィニッシュ前の250mが上り基調とあってギリギリまで待って加速する構えだ。勾配が変化したタイミングで、満を持してアスグリーンがスプリントを開始。逆サイドからアブラハムセン、後ろからはエインコールンもスピードを上げるが、アスグリーンが最後まで前を譲らなかった。

「正直、理想的な状況ではなかったよ。7~8人で逃げることをイメージしていたから、考えていたものとは違った。でも、ここまでとてもハードな日々を送ってきたので、最終週になれば何か起きるのではないかと思っていたんだ。逃げ切る可能性もあると信じて走り続けたよ」(アスグリーン)

2021年にロンド・ファン・フラーンデレンを制し、トップライダーに定着。以来、北のクラシックでは優勝争いの常連で、タイムトライアルやスプリントトレインの牽引役としても力を発揮してきた。そんな彼のキャリアに暗雲が漂ったのは、昨年のツール・ド・スイス第3ステージでの落車だ。左膝の深部を痛めたにもかかわらず、その後に控えていたツールを走りたい一心で「無理やり調整」。大会序盤から苦しむことになり、結果的に第8ステージを走り終えて離脱。しばらくして膝の痛みは消えたが、ツールに向けた取り組みがアダとなってオーバートレーニング症候群に見舞われた。

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