人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

サイクル ロードレース コラム 2023年2月28日

【Cycle*2023 UAEツアー:レビュー】レムコ・エヴェネプールが世界王者の貫禄! 今季最大目標のジロ制覇へ、UAEツアーで確かな第一歩となる個人総合優勝 スプリンターナンバーワンはメルリールに

サイクルロードレースレポート by 福光 俊介
  • Line
UAEツアー

UAEチームエミレーツのエース、アダム・イェーツ

最後の最後にきて、ようやくこの男の強さが証明された。今回のホストであるUAEチームエミレーツの総合エースを託されていたアダム・イェーツが、アシストたちのペースメイクを受けて残り6kmでアタックすると、ついていけたのはエヴェネプールとセップ・クス(ユンボ・ヴィスマ)だけ。やがてクスも遅れると、エヴェネプールとの一騎打ちになった。

そして残り3km、最も勾配が厳しくなる区間で再度のアタックを決め、独走に持ち込んだ。エヴェネプールがリーダージャージのキープにシフトしたこともあり、クイーンステージでの栄誉はイェーツに、そしてUAEチームエミレーツにもたらされた。

「さすがに1分以上の総合タイム差を逆転することは難しいと分かっていた。だから、ステージ優勝にフォーカスした。UAEチームエミレーツは常に私を信頼してくれていたし、ホームレースで勝利に導いてくれたことに心から感謝したい」(アダム・イェーツ)

最終日をステージ2位でまとめたエヴェネプールは、個人でのステージ勝利こそなかったものの、序盤戦からの貯金を守り続けてUAEツアーを初制覇。終わってみれば、個人総合2位のプラップとは59秒差がついた。

そのプラップも殊勲の走り。第1ステージをトップグループで終え、翌日にはリーダージャージにも袖を通した。以降は2番手の位置を走り続ける形になったが、ジュベル・ハフィートの上りもうまくまとめて順位をキープした。

「UCIワールドツアーの表彰台にはとても興奮しているよ。温かいオーストラリアでオフトレーニングを積んだことが好影響をもたらしたのだと思う」(ルーク・プラップ)

豊富なタレントを有するイネオス・グレナディアーズにまたひとり、エースクラスのライダーが台頭した。「上りも平坦も得意だから、どんな役目も果たせると思う」と胸を張った現役オーストラリア王者は、エヴェネプールと同じ2000年生まれ。そう遠くない将来、この2人がロードレース界を引っ張っていることだろう。

「ツール・ド・フランスと並ぶ最重要レース」に位置付けていたUAEチームエミレーツは、意地を見せたイェーツが個人総合3位。昨年まで2連覇していたタデイ・ポガチャルに匹敵する強さとはいかずも、モラノのスプリントも含めて、及第点の1週間だったのではないだろうか。

シーズン序盤恒例の中東レースは、これでいったん一区切り。いよいよヨーロッパ各国をメインとしたレースシーンへと移っていく。暖かな土地での脚試しを終えた選手たちは、一様に大きな目標ヘ向かってギアをもう一段階、二段階とアップさせていく。

文:福光 俊介

福光 俊介

ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
サイクル ロードレースを応援しよう!

サイクル ロードレースの放送・配信ページへ