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日本シリーズに先立って行われた今年の『ドラフト会議』。ベイスターズは7名の選手を指名しました。今回は12球団で唯一、育成ドラフトに参加せず支配下指名のみとなりましたが、あっと驚く指名に、あの現役選手の弟と、話題性のあるドラフトになりました。
今回の指名選手で最大のサプライズ、いわゆる『隠し球』的な存在が、3位指名の杉本寛斎です。杉本はカナダのブリティッシュコロンビア大学所属の選手で、投げては最速158キロの速球を誇ります。さらに、50m6秒の脚力に加え、打球速度が170キロを超えるスピードとパワーも兼ね備えています。外野手としてもプレーし、「カナダの大谷翔平」とも称された二刀流選手です。
京都府出身の杉本は中学卒業後、単身でカナダに留学し、高校卒業後はアメリカ・アリゾナ州の短大を経て、3年時からブリティッシュコロンビア大学に編入しました。大学のリーグ戦では、野手として51試合に出場して打率.335、3本塁打、34打点、16盗塁を記録しました。
ドラフト会議前には複数球団から調査書が届いており、本人は育成指名でもNPBに進む意向を表明していました。ベイスターズは高い身体能力を評価して外野手として指名しました。将来的には中軸を任せられる左の大砲候補として期待されています。
もう1人、話題性のある指名となったのが、6位指名の神里陸です。神里はその名前の通り、現在ベイスターズに所属する神里和毅の弟です。強肩と高い守備力に加え、広角に打ち分ける打撃力も高く評価されている捕手です。
社会人のENEOSからの入団となった神里陸は、出身地の沖縄県から神奈川の東海大相模高校に入学しました。3年時の2020年に春のセンバツ出場が決まっていましたが、コロナ禍で大会が中止となりました。救済措置として同年夏に開催された『2020年甲子園高校野球交流試合』では、大阪桐蔭高校との対戦で適時打を放つなど活躍しました。
進学した國學院大學では武内夏暉(埼玉西武)とバッテリーを組み、2年秋のリーグ戦で優勝しました。4年時には大学日本代表に選出されています。ENEOSでは目立った実績はありませんが、内野手としても出場しました。兄にも匹敵するといわれる高い身体能力を買われての指名となりました。
1位指名の星野世那は、最速149キロの速球とチェンジアップを武器とする本格派左腕です。滋賀・近江高校では、3年時に春夏連続で甲子園出場を果たし、春は準優勝、夏はベスト4という成績を残しましたが、星野は山田陽翔(埼玉西武)の2番手という立ち位置でした。
大阪商業大学に進学後は1年秋からリーグ戦デビューを果たし、2年秋には最優秀防御率賞、4年春には最優秀選手賞、4年秋には秋季最優秀投手に選ばれました。4年時には大学日本代表にも選出されています。
ドラフト会議での指名後、相川亮二監督は「先発でも中継ぎでも1年間投げ抜ける投手」と評価しました。かつての左腕王国から、近年はやや手薄になってきた感のある先発左腕。その中心的存在として期待したいところです。
2位の保西雅則は、189cm、104kgと恵まれた体格から最速150キロを超えるストレートを投げ込む本格派右腕ですが、球団は高校通算15本塁打、特に3年春以降に10本塁打を記録した打撃力を評価。将来の大砲候補として内野手での指名となりました。
4位は青森大学の小金井凌生、5位は上武大の木口永翔と、下位では大学生投手2人を指名しました。
小金井は横浜市出身で、191cmの長身からサイドぎみのフォームで投げ込む右腕です。140キロ台後半の速球と大きく曲がるスライダーの制球力を武器としています。
木口もやや腕を下げた投球フォームから150キロ超の速球を投げ込みます。カットボール、カーブ、フォークなどの変化球を操る大型右腕です。
7位の坂口渉(Honda)は今季の公式戦で6本塁打をマークするなど、社会人を代表するパワーヒッターです。『都市対抗』など大舞台も経験しており、即戦力として期待されています。
日本シリーズでは福岡ソフトバンクに4連敗を喫し、2年ぶりの下剋上を逃しました。来季以降のまた新たな目標に向け、新人選手の躍動に期待しましょう。
文:大久保泰伸
大久保泰伸
フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。
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