【広島好き】カープが交流戦で戦う埼玉西武ライオンズをいろいろ調べてみた

カープ、昨季は2勝1敗とライオンズに勝ち越し

◆広島東洋カープvs.埼玉西武ライオンズ（マツダスタジアム）

・6月6日（金）18:00
・6月7日（土）14:00
・6月8日（日）13:30

先発予想は以下の通り。

・6月6日（金）カープ：森下暢仁／ライオンズ：高橋光成　※予告先発
・6月7日（土）カープ：床田寛樹／ライオンズ：武内夏暉
・6月8日（日）カープ：森　翔平／ライオンズ：今井達也

◆みどころ

2005年から2024年までの通算で、176勝235敗15分で借金59。交流戦が大の苦手なカープが、唯一勝ち越しているのがライオンズで、ここまでの通算成績はカープの37勝31敗3分となっている。

初戦の相手は、昨季まさかの未勝利に終わった高橋光成。今季も黒星が先行しているが、防御率2.49と大崩れした試合はほとんどなく、2023年まで3年連続2ケタ勝利をマークした右腕が復活の兆しを見せている。

さらに土曜は武内夏暉、日曜は今井達也と、左右のエース格と言える投手の先発が予想されており、カープの先発陣は失点を最小限にとどめる必要がありそうだ。

今季両リーグの規定投球回到達投手で唯一、防御率0点台と無双状態の今井達也を打線がどう攻略するかが注目されるが、昨季の対戦では7回までに打線が2点を奪い、床田寛樹が8回1失点に抑えて勝利した。菊池涼介が本塁打を放ち、矢野雅哉が2安打を記録している。

◆今季のライオンズ：堅守と投手力で粘りの戦い

昨季は球団ワーストを更新する91敗（49勝3分け）を喫するなど、勝率.350で3年ぶりの最下位に沈んだが、今季から西口文也新監督のもとで再建を図っている。

4月は13勝12敗と勝率5割を上回る成績で終えると、5月も粘り強い戦いを続けて13勝11敗と勝ち越し。交流戦最初のカードとなった東京ヤクルトとの3連戦も2勝1敗と勝ち越し、パ・リーグで2位とゲーム差なしの3位につけている。

昨シーズンの同時期には、すでに借金が2ケタを超えて最下位だったことを考えると、好スタートを切ったと言えそうだ。

チームの強みは投手陣にある。チーム防御率は2.38と北海道日本ハムに次いでパ・リーグ2位。失策数はリーグ最少の堅守で投手陣を支える。

エースの今井達也は10試合で5勝1敗、防御率は驚異の0.83と絶対的存在となっている。また、隅田知一郎も6勝2敗と先発陣を支えており、さらに昨季育成から支配下登録された菅井信也が4勝をマークしている。

リリーフ陣では平良海馬が、21試合に登板してリーグトップの13セーブを挙げており、終盤の試合を締めくくる役割を果たしている。

一方、打撃陣はチーム打率.235、得点152がいずれもリーグ4位と迫力不足は否めない。34試合で打率.331、4本塁打、17打点をマークしていたルーキー渡部聖弥が故障離脱中で、新外国人とネビンと西川愛也がいずれも打率.278でリーグ打率10傑入りしている。

1試合平均得点が2.87と大量点は望めず、チーム全体として接戦をものにする試合運びが求められている。今後も投手陣の安定感を維持しつつ、打線の奮起で上位進出を目指す戦いが続く。

◆ライオンズの注目選手

・投手：今井達也

パ・リーグだけはなく、日本を代表する投手。夏の甲子園優勝投手でプロ入り後は伸び悩んだが、2023年に才能が開花。昨シーズンは不振のチームの中、1年間を通じて先発ローテの中心として存在感を発揮し、奪三振王を獲得。

今シーズンは開幕から絶好調で、両リーグの先発投手で唯一の防御率0点台と無双状態。昨年最下位に低迷したチームが、今シーズン好調の要因の1人となっている。

・野手：滝澤夏央

先発ローテの一角に成長した菅井と同じく育成指名での入団。高卒1年目途中に支配下登録され、スタメン出場など果たす。その後伸び悩んだが、今シーズンは源田離脱中にショートスタメンに定着。

持ち前の守備、走塁に加え、打撃でも存在感を見せ、源田復帰後もセカンドに回り2番を任された。164cmながら抜群の身体能力をもち、リーグ屈指の高い守備力と強肩を誇る。

現状では元山飛優、児玉亮涼らと定位置争いとなっているが、外崎修汰の欠場時には三塁も守るなど、複数ポジションをこなせる強みもある。

◆ライオンズ所属の広島県、広島の高校出身の選手

・渡部聖弥

ポジション：外野手
背番号：8
出身地：広島県府中市
経歴：広陵高校 → 大阪商業大学 → 埼玉西武ライオンズ（2024年ドラフト2位）

広陵高校時代は東北楽天ドラフト1位入団の宗山塁とチームメイト。広角に長打を放つ新人スラッガーで、将来の中軸打者として期待される。今季は5番・レフトでの開幕スタメンから34試合に出場して打率.331と勝負強い打撃を見せていたが、左足捻挫で5月31日に出場登録を抹消されている。

・谷口朝陽

背番号：126
出身地：徳島県三好市
経歴：広陵高校 → 徳島インディゴソックス → 埼玉西武ライオンズ（2022年育成ドラフト2位）

2023年のドラフト会議で、埼玉西武ライオンズから育成2位指名を受けた。徳島では野手としての出場はなかったが、内野手として指名された。

◆ライオンズ所属のカープゆかりの選手・コーチ

・豊田清

役職：投手チーフコーチ
西武ライオンズ（1993～2005）
広島東洋カープ（2011）

西武時代は、2度の最優秀救援投手のタイトルを獲得するなど、絶対的ストッパーとして活躍。2006年に巨人に移籍後、現役最後の1年間は広島に移籍して32試合に登板した。引退後は巨人で二軍コーチなどを務めた後、2020年からは西武に戻り、一軍投手コーチを務めている。

・青木勇人

役職：ファーム投手コーチ
西武ライオンズ（2000～2006）
広島東洋カープ（2016～2010）

西武時代は、プロ2年目の2001年に46試合に登板して4勝1敗、防御率2.96を記録するなどリリーフとして活躍。2006年に福地寿樹との交換トレードで広島に移籍し、広島でも2007年に43試合登板などブルペンで貴重な戦力となった。引退後は広島で三軍投手コーチなどを務めた後、2021年からは西武で三軍投手、一軍投手コーチなどを務めている。

・青木智史

役職：三軍総合コーチ
広島東洋カープ（1998～2000）

神奈川県の公立である小田原高校から、1997年ドラフト6位で広島に入団したが、プロ3年間で1度も一軍に上がることなく自由契約に。その後はアメリカのマイナー、オーストラリアのセミプロチーム、新潟アルビレックスBCなどで選手、コーチとして活動後、2024年に埼玉西武で育成コーチ兼人材開発チーフとなり、今季から三軍総合コーチに配置転換された。

◆カープ所属のライオンズゆかりの選手・コーチ

・秋山翔吾

・ポジション：外野手
・西武ライオンズ在籍：2011年～2019年
・広島東洋カープ入団：2022年

西武時代には2015年にNPBシーズン最多安打記録（216安打）を樹立し、首位打者やベストナインを複数回受賞。2019年オフにMLB挑戦のため西武を退団し、シンシナティ・レッズを経て、2022年に広島東洋カープと契約。現在も主力外野手として活躍中。

・福地寿樹

役職：二軍ヘッド兼打撃・走塁コーチ
広島東洋カープ（1994～2005）
西武ライオンズ（2006～2007）

俊足巧打の外野手として活躍。引退後はコーチとして指導者の道へ。2023年から広島の二軍打撃兼走塁コーチ、2025年から二軍のヘッドコーチも兼任している。

文：大久保泰伸