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IL入りした今永昇太(カブス)
幸いにもケガは軽傷だった。カブスの今永昇太(31)は5月4日のブルワーズ戦で一塁のベースカバーに走った際に左太もも裏を痛め、5日からメジャー2年目で初めて負傷者リスト(IL)入りした。
「やっぱケガした日は本当悔しくて眠れなかったです。ケガせずにこのグラウンドに立っているだけでも力になれる瞬間がある」
先発左腕のスティールが左肘の手術で復帰は来季以降。エースとしての役割が期待される中での離脱だった。自分が先発投手陣の中心を担わなければいけない責任感があった。だからこそ、中4、5日のローテーションを崩さずに登板してきた。
「自分がどれだけ(故障を防ぐために)準備をしたとか(ケガ予防を)やったつもりでいても、ケガをしてしまった以上、それは『つもり』に変わってしまう」。結果的にいわゆる肉離れになった(球団の発表は「左太もも裏の張り」)。休養、トレーニング、ケア、食事…。最善を尽くした「つもり」だった。
しかし、今となっては、もっと他にも故障を防ぐ術はあったのではないか、もっと対策はできたのではないか、という後悔もよぎる。ただ、悔やんでも前に進み、万全の状態で復帰しなければいけない。
遠征のチームにも帯同しながら、全体練習とは別メニューでリハビリを継続している。約30分間、軽めのエクササイズで患部の状態に慎重を期す。
まだ、下半身に負荷のかかるスパイクははかずにアップシューズで身体を動かしている。「健康な部分、左足以外の健康な部分の出力を落とさないようにするのが一番」とキャッチボールは基本的に毎日、行っているようだ。
カブスは5月10日の試合前時点でチーム総得点229、同打点225はナ・リーグ1位。チーム打率.259は同5位で打線の好調に支えられ、中地区1位をキープしている。チーム防御率4.03はナ・リーグ9位。今永には1日も早い復帰が望まれる。
一方でシーズン中の再発と長期離脱は2020年の地区優勝以来、5年ぶりのプレーオフ進出を目指すチームとしては、絶対に避けなければいけない。
チームに帯同してリハビリを進める今永昇太
「普通に生活もできますし、車の運転もできますし、歩けてもいるので大丈夫とは思う」
自らも軽傷と他の部位には悪影響が及んでいないことを強調した。はやる気持ちを抑え、もっと動きたい気持ちを抑え、地道なリバビリを続ける。それがマウンドに戻る最短ルートだと言い聞かせ、今永はリハビリの日々を丁寧に過ごしている。
文/写真:山田結軌(MLBジャーナリスト)
山田 結軌
1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。
X(旧:Twitter)
@YamadaMLB
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