大谷翔平のMVP発表では「ユナニマス」が聞こえるか

大谷翔平選手

歴史的なタイトル受賞の日が近づいている。11月21日、米国東部時間の午後6時（日本時間22日午前8時）から、両リーグのMVP（最優秀選手賞）が発表される。ドジャースの大谷翔平選手（30）は、DHとして選出されれば、史上初めてとなる。

守備の貢献度での加点がゼロのため、長い歴史でDHを主戦場とする選手がMVPを獲得したことはない。だが、大谷のMVP受賞は確実だ。そして注目は、満票での選出なるか。満票は英語で「Unanimous」。日本のファンの皆さんは中継で「ユナニマス」と聞こえたら、満票と発表された瞬間だ。

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選出方法は、記者投票。30人の記者が、1位から10位まで順位をつけ、各順位ごとにポイント化。最多ポイントを獲得した選手が、選出される。投票する30人の記者は、公平性を期すために各地区の記者へ、投票の権利が分配される。そして、日本プロ野球（NPB）での選出と異なり、投票者の名前と順位付けは公開される。
参照サイト：https://bbwaa.com/23-al-mvp/

昨季のMVP発表では、MLBネットワークの番組内で中継画面が映ると突如として愛犬・デコピンとフレームイン。その瞬間が、公の場での初共演だった。当時は、エンゼルスからフリーエージェント（FA）になり、日米多くのメディアが大谷の肉声を求めていた。8月23日のレッズ戦で右肘の靱帯（じんたい）を損傷。9月は右脇腹を痛めた。9月19日に右肘の手術を受け、25試合を離脱してシーズンを終えていた。公の場での会見は、ダブルヘッダーだった8月23日からなかったからだ。

なお、MVP投票はレギュラーシーズンの成績が対象。打率・310はナ・リーグ2位、54本塁打と130打点はナ・リーグ1位で打撃主要3部門の2冠王だ。MVP投票では、歴史的な偉業を重要視する傾向にある。54本塁打＆59盗塁で史上初の「50-50」は3度目の満票をより確実なものにするのではないだろうか。

初受賞した2021年は、実質的な初めてのフルシーズンで二刀流を貫き、満票で選出。そして、昨季も満票で史上初となる2度目の満票受賞だった。さらに今季は昨季までのア・リーグ（エンゼルス）からナ・リーグ（ドジャース）に移籍。両リーグでの受賞は1966年のフランク・ロビンソン（61年レッズ、66年オリオールズ）以来、58年ぶり史上2人目の快挙となる。

大谷は左肩の手術後、まだメディアに肉声を発していない。回復具合とリハビリのスケジュールなどに加え、来季の二刀流復活への思いなど“大谷ロス”を埋める日となりそうだ。

（文・山田結軌＝サンケイスポーツMLB担当）