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野球 コラム 2024年5月17日

【横浜好き】度会隆輝、出場選手登録抹消。ゴールデンルーキーの巻き返しに期待

野球好きコラム by 大久保泰伸
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度会隆輝(横浜DeNAベイスターズ)

5月16日に度会隆輝が出場選手登録を外れました。ドラフト1位ルーキーの度会は、春季キャンプから一軍に帯同し、オープン戦では16試合に出場。打率.434をマークして首位打者を獲得しました。

1番・ライトでスタメン出場した開幕戦では、プロ初安打、初打点、初本塁打となる同点3ランでチームの勝利に貢献。新人の開幕戦本塁打は2014年のヤクルト・西浦直亨以来10年ぶり14人目で、球団では大洋時代の1960年の黒木基康以来64年ぶりとなる記録となりました。

続く第2戦でも4回に2ラン本塁打を放ち、1955年の大映・枝村勉、1981年の西武・石毛宏典に次ぐプロ野球史上3人目、セ・リーグでは初となるルーキーで開幕から2試合連続本塁打の快挙を達成しました。

そのまま1番打者に定着し、4月26日の巨人戦では満塁弾を放つなど、強力打線のリードオフマンとして、ルーキーらしからぬ活躍を見せましたが、徐々に打率が落ち始めて3・4月は打率.217、3本塁打、11打点、2盗塁で終了。

5月1日にプロ入り後、初めてスタメンを外れ、その試合でチームは今季最多の17安打、12得点を記録と、皮肉な結果となりました。以降はスタメン起用が2試合のみで、12日の代打起用が最後の出場で、16日にプロ初の二軍落ちが決まりました。

スタメン出場した5日には3安打を放つなど、5月の月間打率は.364をマークしていますが、8日のヤクルト戦では落下点に入った犠飛を捕球できず致命的な失点につながるなど、外野守備でミスも目立つようになり、三浦監督も「彼はまだルーキー。いろいろなところを経験しているところ」と、二軍での再調整を決断しました。

開幕から22試合目で、初めて1番から8番に打順が降格した試合で、ルーキーとしては球団初の満塁弾を放ち、スタメン落ちから4試合ぶりの先発出場となった試合では3安打猛打賞をマークするなど、随所で並の選手ではない姿を見せた度会。

天真爛漫な性格で、試合後のヒーローインタビューでは、周囲が心配するほど派手なパフォーマンスを披露していましたが、いわゆる『プロの壁』にぶち当たった形となってしまいました。

今季のチームは、左翼を守る筒香嘉智がアメリカから電撃復帰を果たし、プロ5年目の蝦名達夫もここまで打率.313と好調で、桑原将志関根大気も含めた外野は激戦区となっています。そんな状況の中、右太もも裏の肉離れで離脱していたオースティンの復帰が決まり、代わって度会が二軍落ちとなりました。

15日の試合で巨人に連敗したチームは、リーグ最速の20敗到達、今季ワーストタイの借金4で最下位と不振が続いています。とは言え、首位阪神とのゲーム差は4.5ゲームと、混戦の様相を呈している今季のセ・リーグは、わずかな期間で上位と下位が入れ替わる状況となっています。

開幕直後の佐野恵太牧秀悟宮崎敏郎のクリーンアップに筒香、オースティンまでが加わるラインアップが機能すれば、リーグでもトップクラスの破壊力抜群の打線になることは間違いありません。

10日には高卒5年目のドラ1・森敬斗が一軍昇格し、勝負どころの場面に代走で起用されて盗塁を決めるなど、チームとして得点を奪うための意識の変化も見られるようになってきました。

この魅力たっぷりの打線に、二軍で鍛錬の時間を過ごして、たくましくなった度会が加わって、開幕直後のような活躍を見せれば…。失意のゴールデンルーキーですが、チームの顔となれる逸材であることは間違いないだけに、上位進出を狙うチームと同様に、今後の巻き返しに期待したいところです。

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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