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チームの特徴の違いも、このシリーズの期待値を上げる要因となっている。前述の通り、このポストシーズンはほぼ同じ勝ち上がり方で、ワールドシリーズに到達した両チームだが、その戦い方はかなり異なっている。
レンジャーズはネイサン・イオバルディ、ジョーダン・モンゴメリー、そしてまだ本調子でない、大ベテランのマックス・シャーザーと充実の先発ローテーションは目を引くものの、とにかく今季は打撃に物を言わせて勝利を掴み取る傾向にあり、特にリーグチャンピオンシップ第6戦と第7戦では、敵地で前年ワールドシリーズ王者相手に、2試合合計20-6と完全に打ち勝ったのは記憶に新しいところだ。
一方、ダイヤモンドバックスの強みは、いわゆるスモールベースボールであり、機動力と守備力という、好不調に左右されない一貫性のあるパフォーマンスを強みとしている。直近の例を挙げると、こちらも敵地で連勝したリーグチャンピオンシップ第6戦と第7戦で、2試合合計8盗塁、2犠打と、らしさを遺憾無く発揮している。
また、投手陣に目を向けるとエースのザック・ギャレンこそ、まだ本領発揮には至っていないものの、メリル・ケリーは安定感を維持しており、新星ブランドン・ファートも物怖じしない果敢な投球で、ダイヤモンドバックス先発ローテーションの強度アップに貢献しているほか、ここへ来て無双レベルの信頼度を発揮しているケビン・ギンケルとポール・シウォルドは完全に勝利の方程式となっている。
この投手陣がリーグチャンピオンシップで勝利した4試合で見せた、フィリーズ打線の本塁打攻勢阻止を、今季アメリカンリーグでトップの得点を叩き出した豪打を誇るレンジャーズに対して再現できるかどうかは、かなり見ものである。
個人記録という見地からは、ケテル・マルテがポストシーズンデビューから継続させているポストシーズン16試合連続安打がどこまで伸びるかは楽しみなところだ。ポストシーズンデビューから16試合連続安打は、既にMLB記録を更新しており、単純なポストシーズン連続安打記録も、マニー・ラミレス、デレク・ジーター、ハンク・バウアーの持つ史上最多の17試合連続まであと1試合となっている。
また、レンジャーズのウィル・スミスも何気に面白い存在となっている。救援投手のスミスは、2022年はアストロズ、そして2021年はブレーブスの一員としてワールドシリーズ制覇を果たしており、『MLB.com』のサラ・ラングス記者によると、仮にこのワールドシリーズでレンジャーズが制覇した場合、スミスは3季連続して異なる3チームでワールドシリーズ制覇を果たした史上初の選手になるとのこと。
そうなればある意味、優勝請負人である。
J SPORTS 編集部
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