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レンジャーズ、アストロズに連敗で2勝2敗のタイに。尻ポケットの手袋が流れを変える。ア・リーグ チャンピオンシップシリーズ
MLBコラム by J SPORTS 編集部レンジャーズvs.アストロズ
アーリントンに舞台を移した第3戦で、それまで快進撃を続けていたレンジャーズのポストシーズンにおける連勝が「7」でストップ。アストロズが敵地「グローブライフフィールド」におけるレギュラーシーズンからの連勝を「6」に伸ばしたアメリカンリーグのチャンピオンシップシリーズは、引き続きレンジャーズの本拠地行われた第4戦もアストロズが10-3で勝利したことで、シリーズは両チームとも2勝の五分となった。
◆試合結果
アストロズ |3 0 0 4 0 0 2 1 0|10
レンジャーズ|0 2 1 0 0 0 0 0 0| 3
本当はこっちがホームスタジアムではないか、と思わせるアストロズのグローブライフフィールドでの連勝は、これで「7」に伸び、レギュラーシーズンからポストシーズンにかけて、今季は同球場での成績を8勝1敗とした。こうなると流れ的には、アストロズが敵地で3連勝し、ワールドシリーズ進出に王手をかけてヒューストンへ引き揚げるというシナリオをベースボールの神様が用意しているように思える。
ちなみに、『MLB.com』によると「0勝2敗から第3戦と第4戦で勝利したチームがそのシリーズを制覇したのは、21回中9回(43%)」であり、「ベスト・オブ・セブンのシリーズで、タイとして迎えた第5戦で勝利したチームは、65回中46回(71%)そのシリーズを制している」とのこと。
統計的には、まだレンジャーズがやや優位に立っているものの、2試合連続で王手をかけ損ない、ヒューストンでの第6戦を確定させてしまったこのゲームは、レンジャーズにとってかなり手痛い敗戦となった。
ベースボールの試合の多くがそうであるように、この試合にも、1回を投げきれずに3失点を喫した先発のアンドリュー・ヒーニー、あるいは同点に追いついた直後の4回の一挙4失点など、レンジャーズの黒星へ至る道筋にはいくつも分岐点があったが、中でも印象的だったのは、4点を追っていた5回裏の併殺プレーである。
スコアを3-7として迎えた5回裏、レンジャーズは先頭打者からの連打で無死1・2塁という場面を作ると、前の打席で同点本塁打を打ったコリー・シーガーが打席に入った。ここでシーガーは、抜ければ長打というハードヒットのライナーを一塁線へ飛ばすも、これをホセ・アブレイユがキャッチ。
既に2塁方向へ飛び出していた一塁走者のマーカス・セミエンがヘッドスライディングで帰塁すると、アブレイユのタグを掻い潜る形でギリギリセーフとなり、併殺プレーは免れたかに見えた。
しかし、アストロズのチャレンジにより、このプレーがスロー再生されると、アブレイユのグラブの先っぽがセミエンのお尻のポケットから出ていたバッティンググローブの指の部分に触れていることが判明し、反対は覆って併殺プレーが成立したのである。
今となっては、仮にセミエンがバッティンググローブをポケットに突っ込んでおらず(よく見ると、丁寧にしまわれてはいたが)、アブレイユのタッチが空を切り、一死1・2塁になっていたからといって、その後、レンジャーズに得点が入ったかどうかを論じても意味はないわけだが、この併殺プレーがホームチームの反撃ムードに水を差すことになったのは誰の目にも明らかだった。
現在MLBでは、1点を、1アウトを、そしてその先にある1勝を得るべく、セイバーメトリクスといったデータや、スタットキャストといったテクノロジーを駆使し、デジタルドメインをフル活用しているにも関わらず、お尻のポケットに突っ込んだ手袋という、かなりアナログな部分が、そのイニングの流れを変えてしまうプレーにつながるのだから、ゲームは面白いものである。
第5戦以降、レンジャーズの選手が出塁した際は、ポケットの取り扱いに注目したいところだ。何しろ、そこへ何かを入れておくと、与えなくても良いアウトを敵方に献上するリスクがあるというデータが新たにインプットされたのだから。
J SPORTS 編集部
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