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しかし、フィールドの一番深いところへ飛んだ打球をルーキー右翼手のエバン・カーターが値千金のジャンピングキャッチでアウトにすると、中継を挟んで2塁へ返球。1塁走者のアルトゥーベは、1塁へ帰塁し、一旦はこれが認められるも、レンジャーズがチャレンジした結果、2塁を回っていたアルトゥーベが1塁へ帰塁する際、2塁を踏み直していないことが判明し、併殺プレーが成立することとなった。
これで、一死1塁ではなく二死走者なしと、ある程度プレッシャーのない状況でアルバレスと対戦できたチャップマンは、結果的にことなきを得たのである。実際、現地放送で解説をしていた往年の名投手であるジョン・スモルツも、「一死1塁ではなく二死走者なしでアルバレスと対戦できると、投球の自由度が格段に違ってくる」という趣旨のコメントをしていた。
ちなみに、スモルツはアルトゥーベの帰塁について、「あと2、3歩先へ(3塁方向へ)進んでいれば、自動的に2塁を踏めていただろう」と解説している。確かにリプレーで見ると、アルトゥーベは半歩ほど3塁方向へ進みかけたところで、慌てて2塁をまたぐ形で1塁へ戻っており、もしかすると2歩と言わず、歩幅の大きな1歩であっても、無事2塁を踏みなおすことができていたかもしれないと思わせるほど、それは微妙な間合いだった。
結果として、このワンプレーが勝敗を分けたわけではないが、これは試合後の酒のアテにするには、十分すぎるほど、ベースボール的な含蓄を感じさせる場面ではあった。短期決戦のポストシーズンは、こういうワンプレーの持つ意味合いの大きさが虫眼鏡的に拡大されるところに、それならではの面白さがあると言えるだろう。
J SPORTS 編集部
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