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ワールドシリーズ第3戦
2022年ワールドシリーズは、ヒューストンのミニッツメイドパークで行われたた最初の2戦をアストロズとフィリーズが1勝ずつ分け合う形で、第3戦から第5戦が開催されるフィラデルフィアのシチズンズバンクパークへ戦いの舞台を移すこととなった。
敵地で1勝したとはいえ、アーロン・ノラとザック・ウィーラーという先発ローテーションの2本柱で連勝できなかったフィリーズは、第3戦の先発マウンドをノア・シンダーガードに託すこととなった。シンダーガードと言えば、今季夏場までエンジェルスにて大谷翔平のチームメイトだったことから、日本のファンにも馴染みのある先発投手。
ただ、この長髪をなびかせる右腕がワールドシリーズで先発登板するのは、この第3戦が2015年以来と、久方ぶりのことであり、さらに彼は9月中旬以降、長いイニングを投げておらず、このポストシーズンでもディビジョンシリーズ第4戦で3回35球を投げたのを最後に登板していないなど、鬼が出るか蛇が出るかという状況で大一番を迎えることになる。
仮にシンダーガードが早期降板となると、フィリーズはこの試合のみならず、第4戦以降も含め、ブルペンの酷使を避けられない事態となりかねず、地元での3連戦で優位に立ちたいなか、投手陣に関して厳しい遣り繰りを余儀無くされることになる。
アストロズはポストシーズンに入り、不振を極めていたリードオフのホセ・アルトゥーベがにわかに復活を遂げるなど、今季アメリカンリーグ最高勝率を達成した『業務平常通り』になりつつあるだけに、シンダーガードvs.アストロズ打線という構図が何回まで続くかは、今後のシリーズの趨勢を占う上で、大きなファクターとなりそうだ。
そのアストロズは、大舞台の勝手を知っているランス・マカラーズJr.が先発投手を務めることになる。これまでアストロズの投手としてポストシーズンでは18試合に登板(うち先発は11試合)で2勝2敗、防御率2.77と安定した数字をマークしている。
右腕は試合前の会見で、熱狂的なファンで知られる敵地での登板について「あの観客を経験することをとても楽しみにしている」と自信をうかがわせるコメントをしており、ダスティー・ベイカー監督も「ランスはこれまで、ずっと我々にとって大舞台の男だった」と全幅の信頼を強調している。
アストロズは強固なブルペンが確立されているだけに、これからの数試合、投手陣の層の厚さで劣勢に立たされるであろうフィリーズにとって、このマカラーズJr.をどれだけ攻略できるかが、この第3戦を取れるかどうかの分かれ目となりそうだ。
とりわけ、チャンピオンシップシリーズで豪快な本塁打を量産したブライス・ハーパーとカイル・シュワーバーは、ワールドシリーズに入り、これまでの2試合では長打も打点もマークしておらず、このスラッガー2人の打棒が観客を沸かせない限り、フィリーズがアドバンテージを握るのは難しいだろう。
なお、『MLB.com』によると、現行の2-3-2形式(最初の2試合の後、本拠地を変えて第3戦から3試合、さらに第6戦からの2試合は再び本拠地を移す)のポストシーズンシリーズで、本拠地で最初の2試合を五分としたチームは、これまで86例中47回(55%)シリーズを制しており、ベスト・オブ・セブン(7試合制)のシリーズを1勝1敗として第3戦に勝利したチームは、これまで98例中68回(69%)シリーズを制覇しているとのこと。
#ワールドシリーズ 2戦目を見逃した方も大丈夫!!
— MLB Japan (@MLBJapan) October 30, 2022
今日のハイライトをご覧ください#2022ワールドシリーズ pic.twitter.com/y8Zwv4PLgg
J SPORTS 編集部
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