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アストロズ vs. フィリーズ
アストロズとフィリーズがMLBの覇権をかけて激突する2022年ワールドシリーズ(WS)が、現地10月28日(日本時間29日)から遂に幕を開ける。今季アメリカンリーグ最強チームのアストロズと、今季からのレギュレーション変更によりワイルドカード3枠目から、相次ぐ下剋上で一気にWS進出を果たしたナショナルリーグのフィリーズによる一戦となった。
アストロズはポストシーズン全勝を誇る完成度の高さと、悲願のWS初制覇を狙う名将ダスティー・ベイカー監督の采配、フィリーズはプレーオフに入り打率.419、5本塁打、6二塁打、11打点、1.351 OPSと、無双状態になっているブライス・ハーパーなど、みどころに事欠かないわけだが、シリーズ第1戦はアストロズのジャスティン・バーランダーと、フィリーズのアーロン・ノラによる両エースの投げ合い、とりわけWS初勝利を期して先発マウンドに上がるバーランダーの投球に注目したい。
バーランダーと言えば、通算244勝、3198奪三振、最多勝のタイトルを4回、最優秀防御率2回、最多奪三振5回、さらにサイ・ヤング賞2回にシーズンMVPも1回、と将来の殿堂入りが約束された名選手であり、ポストシーズンでも幾多の試合でマウンドに上がってきた歴戦の強者だが、意外なことにWSでの勝利からは、その輝かしいキャリアを通じて見放されてきたのである。
これについて、『MLB.com』は試合前日に掲載した記事の中で、「彼はアメリカンリーグMVPと新人王を獲得し、2017年アメリカンリーグチャンピオンシップシリーズ(ALCS)ではMVPに輝き、これまでノーヒットノーランを3度達成し、今年は3度目のサイ・ヤング賞受賞がほぼ確実となっている。そんな1人の投手として、そのキャリアにおいて全てを成し遂げてきたジャスティン・バーランダーは、まだ大きな人参を追いかけている」と前置きした上で、バーランダーが未だにWSで勝利投手となっていないことについて伝えている。
バーランダー本人は、試合前日の会見でこのことについて、WSで勝利投手となることについて、「それを我々のキャリアの達成リストに加えられるのは素晴らしいこと」であり、「確かに勝ちを得られたらとは思う」とした。
ただ、「それは僕のゴールではない。それが欠けているような気がするとは言いたくない。そうなると、本質的にそれが自分の個人的なゴールになってしまうから。僕のゴールは試合に出て、勝利への最高のチャンスをもたらすこと」と、あくまでも第一義はチームの勝利への貢献であり、自身に勝利がつくことは副次的なことと断言している。
これまでバーランダーはWSで計7試合に先発登板し(アストロズで4試合、タイガースで3試合)、その成績を0勝6敗、防御率5.68としている。バーランダーによるポストシーズンの躓きは、マリナーズと対戦した今年のディビジョンシリーズ第1戦(先発登板し、4回6失点)でも見られたが、ヤンキースとのALCS第1戦では、先発登板し6回3安打1失点、11奪三振1四球と快投している。
果たして稀代の名投手は、ハーパーを始め、カイル・シュワーバー、そしてリース・ホスキンスと、ナショナルリーグ チャンピオンシップシリーズで本塁打を量産したフィリーズに打線を前に、どちらの顔を見せるのか。
J SPORTS 編集部
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