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野球 コラム 2022年8月2日

【楽天好き】「そもそも僕は甘い球しか打てない」。島内宏明選手に「一番苦手な分野」の野球に関していろいろ聞いてみた

野球好きコラム by 松山 ようこ
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島内宏明

楽天イーグルス生え抜きの看板選手、島内宏明選手の質問シリーズです。今回もファンの皆さんからいただいた多くの質問に答えてくれました。質問で最も多いのが、やはり野球やキャリアに関することでした。

そう島内選手に明かすと、開口一番「一番苦手な分野ですね」と真顔でジョークが。これは翻弄されるか…とこちらが身じろぎしたのもつかの間、「よっしゃあ、何でも聞いてください」と軽いノリでスタートを告げると、そんなノリとは裏腹に真摯に深い話をしてくれたので、詳しくお伝えします。

―― 前回の質問シリーズで「バットを30本以上、使い分けている」と知り、驚きました。試合の前などに、対戦相手チームのピッチャーをイメージして、その選手ごとに対策を練ったりするものでしょうか。対戦した後の振り返りもされますか? 予習復習のようなことをしていたら、どうしているのか教えてください。

うーん、難しいですね。みんなどうしてるのかな。基本的には、どういう感覚で自分が打席に立っていたのかっていうのを覚えておきます。どのピッチャーにどのバットを使ったかも含めて。それができれば、次の打席でまた違うアプローチができるので。何と説明していいかわからないですけど、そのぐらいです。

あまり多くのことはしていないですけど、具体的にしていることと言えば、その感覚をもとに、ちょっとタイミングを遅く取るとか、手で引くとか、身体で先にねじるとか、何か始動するポイントを工夫したりしています。予習復習としては、何をして変化球を打ったのかとかを適宜やってみて、そうしたらこうなるっていう確認の繰り返しですかね。そもそも基本的に僕は甘い球しか打てないですから。

―― いやいや、インサイドの難しいボールを捉えたり、アウトサイドをスタンドに運んだりすることもありますよね。

いや、基本は真ん中です。僕は真ん中しか打たないです。ただ、打撃練習では、全部の球を打つようにしています。どこにボールが来ても、練習は1球も見逃したくないみたいな。もちろん見逃すこともあるんですけど、そうすることで、なるべく打てるゾーンを広げてあげる。そういうイメージで準備しています。

要するに、そうやってゾーンを広げて球が真ん中に見えたらいいわけです。練習で力強く、打つゾーンを広げてあげる。実際にストライクゾーンを広げるのは無理ですけど、試合になったら振れなくなるので、自分の中でゾーンを広げていって、全部をワンポイントで力を伝える意識で打っていくんです。力が伝わるのは結局、ワンポイントに近いので。

よく聞くと思いますが、もちろんボールの軌道は、基本的には点ではなく線で捉えますよ。だけど、どうしても前に飛ばない時があるんですよ。何をどうしてもファールにしかならない時とかもありますし、そういう時はむしろ点で、例えばちょっとボールの勢いを抑え込むぐらいのイメージで打つといった工夫をするんです。

というのも本当にその時によって、全然やっぱり違うんですよね。バットの軌道のイメージも、当たらないぐらいの感覚で、ボールの上側を打つぐらいのイメージの場合もあります。僕は、やっぱり毎回ずっと同じ感じでバッティングできないんですよ。能力ないから…。みんなはどうなのかわからないですけども。

―― 調子が良い時だからこそ、気をつけていることはありますか?また、調子の波が緩やかの方が、きっとメンタル的にもいいのかなと思うのですが、調子が思った以上に落ちないように心がけてることとかがあったら教えてください。

うーん、僕、そもそも調子がいいっていう感覚がわからないんですよね。例えばですけど、調子がいいって思ったとして、全部がさっき言ったようにストライクゾーンで、打てるように見えるのかと言えば、そんなことはないわけです。そうなってほしいとは思いますけどね。だから僕、いつも多分あんまり調子が良くないんです。そうやって調子よくないって考えるほうが、調子がいいのかもしれないです。わかりますかね?

例えばですよ、バッティング練習で、調子が悪かったです。もうゲージから前に飛ばなかったです。でも、それが調子悪いかって言うと、僕はそんなことないと思っていて。そういうときは、やっぱり吹っ切れられるんで、適当になんとなくいけるんですよ。結果が出ちゃったりする。逆にめちゃくちゃカーン!カーン!って気持ちよく練習で飛ばせていたりすると、そういう時の方が逆に試合では力んでダメだったりするんですよ。

だから、まあ結果が出ることを調子が良いと考えるとすると、そういう時こそ、より謙虚にと気をつけています。調子が良いって考えると、どうしても強引に振っちゃう。身体で振っちゃうぐらいのこともありますからね。何でも振りに行きたくなるみたいな。だから、なるべく打つ球を絞る。本当にダメな時は手が出ないですからね。(結果が出ている時ほど)欲張らずに打てるところを狙うと、グッと自然と手が出て、ポイントがバッと広がる感覚になっています。

前回のコラムで自身を「ポンコツだった」と呼び、今回も「自分は能力がない」と言い切る島内選手ですが、話している内容は、さすが一流のプロと思った人が多いのではないでしょうか。野球がうまくなりたいという少年少女も目を見開くような深い話でした。次回は、そんな島内選手が島内少年だった時のエピソードがあります。お楽しみに!

取材・文:松山ようこ/写真:東北楽天ゴールデンイーグルス提供

松山ようこ

松山 ようこ

フリーランス翻訳者・ライター。スポーツやエンターテイメント関連コンテンツの字幕翻訳をはじめ、Webコンテンツ、関連ニュース、企業資料などの翻訳や制作を請け負う。J SPORTSでは、主にMLBや侍ジャパンのほか、2015シーズンより楽天イーグルスを取材し、コラムやインタビュー記事を担当。野球の他にも、幅広くスポーツ選手はじめ著名人を取材。Twitter @yokobooboo

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