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その本塁打も、2009年には開業したばかりのマツダスタジアムで、推定飛距離150メートルの左翼スタンド後方にあるネット直撃弾、さらに昨年、佐藤輝明(阪神)で話題になった横浜スタジアムの場外弾を、左翼場外に放つなど、193センチ、104キロの堂々とした体格の打撃は迫力満点でした。
現在、カープの投手陣で本塁打を記録しているのは野村祐輔と大瀬良大地の2人だけで、それぞれ1本ずつと、時代が違うとは言え、やや寂しい状況と言わざるを得ません。
ルーキーイヤーに2本の二塁打を放つなど、打率.154、3打点を記録した森下暢仁や2020年に15試合(30打席)で打率.185、昨季は16試合(28打席)で打率.200と、打撃が向上している床田寛樹などにエースの系譜を期待したいところですが、NPBでもセ・リーグのDH制導入を望む声があり、何かとMLBに追随する傾向が強い現状では、日本でも投手が打席に立たない日が来るかもしれません。
ドラフト4位入団の田村俊介(愛工大名電卒)はプロ入り前に二刀流挑戦を熱望しており、一軍キャンプに合流した直後の紅白戦で素晴らしい打撃を披露しましたが、今のところは野手に専念する方針となっています。
エースで4番、というのは時代遅れなのか、大谷翔平でなければできないことなのか。いずれにしても“9人目の打者”と言われる投手の打撃に、これからも注目したいと思います。
文:大久保泰伸
大久保泰伸
フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。
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