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野球 コラム 2021年11月24日

強力打線の東京ガス、前回準優勝のNTT東日本、プロ野球OBが監督のセガサミー、巨人2位指名がエースのJR東日本、再編で陣容の厚い三菱重工East、優勝11回の名門・ENEOS。都市対抗野球大会チーム紹介(東京・西関東代表)

野球好きコラム by 大島 和人
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◆東京ガス(東京都/3年ぶり22回目)東京第1代表

東京第1代表は東京ガス

東京2次予選の第1代表決定トーナメントは、1回戦でJR東日本と当たる厳しい組み合わせだった。しかし、エース臼井浩がプロ注目の山田龍聖に投げ勝ち、さらに鷺宮製作所、NTT東日本を連破して東京第1代表となった。

臼井は27歳の右腕で、3試合中2試合で先発。決勝はクローザーとして登板して胴上げ投手になった。168センチの小兵だが140キロ台後半の速球と、鋭い縦変化を駆使し、制球も優れた好投手だ。

臼井に次ぐ存在の左腕・高橋佑樹に、石田光宏と益田武尚の両本格派右腕など、誰が登場しても楽しみな投手陣だ。明治安田生命からの補強で加わった三宮舜も、大舞台の経験豊富な技巧派左腕で、勝ち進んで連戦となった場合も不安は全くない。

打線もチーム内競争が激しく、捕手は2年目の加藤雅樹と馬場龍星がいずれもハイレベル。加藤は早稲田実業高校、早稲田大学で活躍したアマチュア球界のスター選手だが、予選では指名打者を任された。

クリーンアップは早大OBが揃う。3番・小野田俊介、4番・地引雄貴、5番・加藤はいずれも確実性とパワーを兼ね備えた打者だ。「人材のスケール感」は社会人球界でもピカイチだろう。

社会人1年目ながら、鷺宮製作所からの補強で加わった野村工は強打の外野手。彼の兄・野村勇(NTT西日本)は今年のドラフトで福岡ソフトバンクホークスの4位指名を受けた。

◆NTT東日本(東京都/6年連続45回目)東京第2代表

昨年の準優勝NTT東日本

JR東日本を退けて第2代表の座を掴んだ。昨年の第91回大会で準優勝に輝いている強豪だ。

投手陣は國學院大學出身の新人・上出拓真が台頭。184センチ・85キロの大型右腕で、2次予選は4試合中3試合に先発している。ただ防御率6.35と苦しみ、リリーフに助けられる展開が多かった。

2番手以降は人材豊富だ。昨年の都市対抗で好投した4年目の右腕・熊谷拓也、5年目の右腕・堀誠が健在。経験豊富な技巧派左腕の沼田優雅、変則派左腕の飯嶋海斗と多彩な顔ぶれが揃う。チームの「大魔神」的な存在が36歳の右腕・大竹飛鳥。140キロ台後半の速球と、強烈なスライダーが武器になる。

野手陣は上川畑大悟が北海道日本ハムファイターズの9位指名を受けた。三拍子揃ったショートで、2次予選は打率.375、5打点、2盗塁と持ち味を出した。

向山基生は4番で起用されるスケールの大きな3年目の外野手。ドラフトの指名こそなかったが、昨年の都市対抗では久慈賞(敢闘賞)を受賞している。父・隆康さん(熊谷組/1992年)に続く親子受賞として話題になった。

下川知弥、喜納淳弥といったベテランも健在だ。打線は1番から9番まで全く隙がなく、2次予選は上川畑が下位に置かれたほど。加えて投打で有力選手を補強している。第91回大会より「ひとつ上」を狙える陣容だ。

◆セガサミー(東京都/2年連続12回目)東京第3代表

第91回大会はベスト4に勝ち進んだ。2020年から指揮を執る西田真二監督は広島東洋カープで活躍し、四国アイランドリーグで長く監督を務めていた。歴代監督も青島健太、佐々木誠、初芝清とプロ野球OBが続いている。

前回大会でも好投した草海光貴は170センチの小さな大投手。入社後に内野手から投手へ再転向した変わり種だが、140キロ台の速球とスライダー、制球力でしっかり試合を作る。

今年の2次予選はベテラン左腕・横田哲が好投した。多彩な球種を操る29歳の技巧派で、14回2/3を自責点0に封じている。クローザーとして頼りになるのが石垣永悟。29歳の本格派右腕で、150キロに迫る速球が武器になる。

横山楓は國學院大學から入社して2年目の右腕で、オリックスの6位指名を受けている。予選では打ち込まれたものの、最速153キロの本格派だ。

JR東日本との第3代表決定戦はドラフト当日の10月11日。延長18回の大熱戦となったため、試合終了は23時22分。横山は深夜に記者会見を行うことになった。

この試合で延長18回表に殊勲の勝ち越し本塁打を放ったのが植田匡哉。運動能力が高い外野手で、この試合は1番ライトで起用され、8打席目だった。

もっとも2次予選は打率.174と打線が低調で、特にプロ注目の大型ショート中川智裕は23打数無安打と苦しんだ。ただ、それぞれの能力は折り紙付きで、予選で不調が底を打ったとも言える。

セガサミーはエンターテイメント性あふれる応援がおなじみ。チャンステーマの『獣王』『輝彦』や、得点後の『サクラ大戦』は中立の観戦者が思わず盛り上がってしまうノリの良いナンバーだ。打線と並んで応援の復活にも期待したい。

◆JR東日本(東京都/12年連続24回目)東京第4代表

最後の1枠を掴んだJR東日本

合計7試合の厳しい戦いを経て、「崖っぷち」から最後の1枠を掴んだ。1回戦で東京ガスに破れ、そこから第2代表決定トーナメントは順調に勝ち進んだものの、代表決定戦でNTT東日本に2-3(延長10回)と惜敗。中2日の第3代表決定戦は延長18回の死闘の末、セガサミーに3-4と破れた。

試合終了の翌日、「中19時間」で臨んだ第4代表決定戦も延長にもつれ込む展開だった。しかし、10回に勝ち越して5-4と勝利し、東京ドーム行きを決めている。

エースはもちろん山田龍聖。高岡商業高校から入社して3年目の左腕で、読売ジャイアンツから2位指名を受けている注目株だ。2次予選はやや制球に苦しんだ印象だが、重要な場面を任された。

昨年は伊藤将司(阪神)や西田光汰らの影に隠れ、あまり出番を得ていなかったが、今季は大きく成長。速球やスライダー、チェンジアップといったボールの質ももちろんだが、いかにも「筋の良さ」を感じるタイプでもある。

新人ながら2番手投手として台頭した右腕が小谷野楽夕。昨秋は日本大の2部優勝に貢献した本格派で、2次予選は3試合で先発して防御率1.69の好投を見せた。

渡辺和哉は4番・捕手とチームの要で、第4代表決定戦の勝ち越し打も放った。金子莉久は161センチの小兵だが、俊足で鳴らす外野手。2次予選は7試合で10安打、7四死球と高い出塁率を記録し、大会中に打順が9番から上位打線に上がった。

◆三菱重工East(横浜市/2年ぶり12回目)西関東第1代表

西関東第1代表を勝ち獲った三菱重工East

三菱重工は広島、神戸・高砂、名古屋、横浜の4チームを今季から2チームに再編。横浜は「三菱重工East」と名を改めて再出発を果たしている。今夏の日本選手権では準優勝に輝いた。

新監督には名古屋の監督だった佐伯功氏が就任した。さかのぼると横浜(当時の名称は三菱日立パワーシステムズ横浜)は2017年に長崎と統合された経緯があり、陣容は必然的に厚い。

第1代表決定戦で完投勝利を挙げるなど、2次予選で好投を見せたのが広島から加わった左腕・本間大暉。社会人入り後に大きく伸びた27歳で140キロ台の速球、変化球とも質が高い。

長らく横浜のエース格としてマウンドを任されてきた技巧派右腕・大野亨輔も健在。加えて補強選手として東芝の本格派右腕・善武士、侍ジャパン大学代表を経験している左腕・藤村哲之も加わった。

中山遥斗は國學院大學から加わった新人で、2次予選は3番・セカンドで起用された。打率.313を記録し、本塁打も放つなど、中軸の役割を果たしている。

実力者が先発から外れる勿体なさはあるが、2次予選ではキャプテンの江越海地、平野智基といった昨季までの主力は代打起用の一振りで結果を出した。

◆ENEOS(横浜市/2年連続51回目)西関東第2代表

社会人球界の超名門だが、西関東は激戦区。第87回大会(2016年)から4大会連続で本戦出場を逃した。しかし、2019年末にOBの大久保秀昭氏が慶應義塾大学から復帰。そこから2大会連続の出場を果たしている。

西関東2次予選は代表決定リーグ戦が三つ巴となり、トーナメントにもつれ込み、ENEOSは第2代表決定戦で東芝を下して出場を決めた。

予選突破に大きく貢献したのが関根智輝、加藤三範の新人投手。関根は慶應義塾大学から入社した183センチの大型右腕で、150キロ超の速球を持つ本格派だ。加藤は筑波大学出身で、制球力とスライダーのキレで勝負する技巧派左腕。

加えて補強で東芝の本格派右腕・吉村貢司郎が加わった。吉村は150キロ前後の球速で押せる超本格派。先発だけでなくリリーフでも活きそうなタイプだ。

野手陣も若手が台頭している。度会隆輝は横浜高校から加入した高卒新人で、182センチ・83キロの左打者。ヤクルトで活躍した度会博文さんを父に持つ二世選手でもある。2次予選では指名打者ながら中軸で起用され、打率.278、2打点を記録している。

瀧澤虎太朗も早稲田大学出身の新人外野手で、2次予選は打率4割を記録した。柏木秀文、山崎錬、岡部通織といったベテランも健在で、さらに強力な補強選手もいる。2013年以来の都市対抗制覇が視野に入るチームだ。

文:大島和人

大島 和人

大島 和人

1976年神奈川県で出生。育ちは埼玉で現在は東京都町田市に居住。早稲田大学在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れた。卒業後は損害保険会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。現在はサッカーやバスケ、アマチュア野球など多彩なボールゲームの現場に足を運んでいる。Twitter(@augustoparty

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