【広島好き】ゴッホ向井ブルーの「小園海斗、高監督から受けた魂の1時間ノック」

そこから突然始まった高監督との『魂のノック』。監督自らがノックバットを握り、休む暇なく小園選手ひとりにノックを打ち続けました。最初は10～15分くらいで終わるのかな、なんて思いながら見ていたノックでしたが、20分、30分過ぎても一向に終わる気配がありません。

「それでええんか？悔しくないんか？このまま終わってもええんか？」と高監督が終始、檄を飛ばしながら、ひたすらノックを打ち続け、小園選手は「もう一球！まだまだ。もう一球」と大声を上げ、ユニフォームを泥だらけにし、白球を追いかけていました。

気づけば1時間。最後の1球を打ち終えた高監督がショートのポジションまで歩いて近づき、小園選手に何か一言声をかけ終わりました。後日、あの日のノックのことについて高監督に伺いました。

「小園には期待しています。あのノックで何か少しでも『気持ちの転機』があれば嬉しいですね。頑張ってますよ。最近の小園は」。

ノックに込められていた無言のメッセージ。笑顔で小園選手の話をする高監督、そして「頑張ってますよ」という言葉は嬉しすぎました。

『日本一のショート』という、大きな目標に向かって。やっぱり小園選手には大きな舞台と笑顔が似合う。

今、小園選手は一軍にいます。3割を超える打率を残し、クリーンナップを任せられたりと、苦しいチーム状況の中でも明るい存在です。まだまだ長いプロ野球人生。この先、また壁にも当たるでしょう。ただ、これまでやってきたように、失敗と悔しさを乗り越えた先に大きな成長が待っているはずです。

文：ゴッホ向井ブルー