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野球 コラム 2021年3月16日

【広島好き】緒方孝市・元監督、33年ぶりにユニフォームを着ないで見た2020年のカープ

野球好きコラム by 大井 智保子
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新曲の披露からイベントはスタート

本を読んで作ったという、広島のシンガーソングライター佐々木リョウさんの新曲「赤の継承」で会場は温まった。MC住本明日香さんの呼びかけで、スーツ姿の緒方元監督が颯爽とステージに現れると、大きな拍手と共に「かっこいい…」。マスク越しの小さな声が漏れているのがたくさん聞こえた。

3月13日(土)、日本ハムとのオープン戦が行われるマツダスタジアムへ向かう人で賑わう広島駅南口地下広場で、『緒方孝市「赤の継承」発売記念イベント』が開催された。カープのユニフォームを着て33年、ずっとカープに命をかけた緒方さんが、ユニフォームを脱いで初めて行われたトークショーだ。

本の購入者120名が、サイン入りの本を受け取り着席。緒方さんの声に引き寄せられ、通りがかりの多くの人たちも立ち止まって周りを囲んでいた。

「緒方さんのカープへのファンレターのようだった」と本を読んだ住本さんは感じたそうだが、会場にいる120名はこの日に本を受け取ったばかり。本の中身のネタバレはしないように、トークショーは進められることになった。

――33年間着続けたユニフォームを脱いで、初めてのユニフォームを着ない1年はどうされていましたか?

緒方:早いもので、ユニフォームを脱いで1年半、とにかく体も頭も休ませたいという気持ちでゆっくりさせていただきました。年が明けて2月にキャンプ、オープン戦、さあ開幕というところでコロナ。

イベントとか公演とか野球教室とか色々と予定していたのですが、それが全て中止になってしまって…。時間を持て余すことになってしまったんですね。ちょうどその時期に、出版社の方から本を出さないかと、そういうお話をいただいたんです。

――本を出版することが決まってからはいかがでしたか?

じっくりと、ひとつひとつ当時の資料を見直して、ひとつひとつ記憶を呼び起こしながら、丁寧に丁寧に時間をかけてじっくり作ることができました。ただ、時間をかけすぎて、本当は年内に出版する予定だったんですが、間に合わずに年を越してしまいました(笑)。

出版の方には、「野球関係者の本にたくさん携わってきましたが、その中で緒方さんが一番時間がかかりました」と言われました。でも、「時間をかけたぶん、大変良いものができあがったと思います」とその言葉を最後聞けて、すごく嬉しく思いました。

――選手・コーチ・監督としてでなくカープを見てどうでした?

キャンプが始まって、グランドに行って、あの独特な空気を吸った瞬間に、改めてこう、新鮮さじゃないんですけども、懐かしいなという気持ちに変わりましたね。

開幕してからは、球場に行っても規制がかかって、グラウンドに入ることができなかったんですよね。わたしだけじゃなく、他のOBや野球評論家の方にしてもそうで、とにかく規制が厳しくて。そういったところで、自宅でもっぱら野球観戦を、カープ戦をテレビで見ていたんです。

――昨シーズンについてはいかがですか?

苦しいシーズンだったなと思いました。開幕が2ヶ月遅れてしまいましたよね。選手は本当であれば、3月下旬に体調を万全にもっていくというところで、それから2ヶ月。練習もかなり制限されたので、1日練習して1日休んで、そんなことまず絶対ない、毎日練習する選手もいますから。そういった調整方法がたぶんうまくいってなかったんじゃないかと思います。

それに加えて、シーズンのスケジュールは過密日程になってしまいました。連戦連戦で、特にカープの場合は特に移動が多いチームですから、移動してその日にゲーム、また帰ってきてゲーム。そういうスケジュールは選手にとってはものすごくしんどかったと思います。

そういうこともあって、ケガ人、特に主力選手のケガがあって、監督1年目の佐々岡監督にとっては、かなり苦しい1年だったのではないかなと思います。

もう1つ、テレビで見て思っていたのは、地元マツダスタジアムで強さを見せる戦い、というものが全くできていなかったと思います。その1つの原因として、開幕してから無観客だったんですよね。そのあとしばらくして、ファンの方が入れるようになっても人数制限があって、あれって、マツダスタジアムの空気が全然違うんです。

熱く語る緒方孝市さん

いつもの大声援の中で、真っ赤に染まったスタンドで皆さんが応援してくれる、あの力っていうのがね。選手たちは、なんかこうやりにくそうな感じで、野球をやっているように見えました。

ただ、そんな中でも、若い選手がかなり出てきました。投手でいえば、ケムナ、島内、塹江、彼らがしっかりとした投球ができるようになりました。シーズン当初、ちょっと苦戦しましたが、中盤からはしっかりと投球できました。中継ぎから抑えまでしっかりと投げきれるようになりましたから、これは嬉しいです。

野手でいえば、まず堂林ですね。ま、若くはないんですけども、彼が開幕からすごい活躍をしてくれて、レギュラーをしっかり掴みとってくれましたし。坂倉もそうですね。さくら(坂倉)はキャッチャーというポジションの中では1番の打力を活かし、多くの試合に出場しましたし。

大盛選手も足が速いですね。いい選手です。そういった若い選手が数々出てきて、その選手が経験したことで、今年の戦いに必ず生きると思います。

緒方監督とまだ呼びたくなるような、熱いカープ愛あふれるトークはまだまだ続く。

文:大井智保子

大井 智保子

大井 智保子

年間40試合以上は球場へ観戦に行く、広島県江田島市出身のカープファン(天谷世代)。「カープ女子」という言葉を世に広め、2014年にはユーキャン新語・流行語大賞でトップ10を受賞。"カープ女子神3"と呼ばれる。本業は広告代理店のOLだが、ライターとの二刀流を目指す! Twitterアカウント

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