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ア・リーグチャンピオンシップは第7戦までもつれ込む
サンディエゴのペトコパークを舞台に繰り広げられているアメリカン・リーグ優勝決定シリーズは、0勝3敗で崖っぷちに立たされながらも、2連勝で盛り返していたアストロズが、第6戦を7-4で勝利し、リーグ優勝決定は第7戦までもつれ込む展開となった。
レイズは先発のブレイク・スネルが4回を無失点に抑えるなか、2回に1点を先制し、順調な試合運びを見せていたが、5回の継投策が勝負の分かれ目となった。
5回もマウンドに上がったスネルは四球と単打で無死1・2塁のピンチを招くと、ここでお役御免となり、マウンドへ行ったケビン・キャッシュ監督は、それまでポストシーズン無失点のディエゴ・カスティーヨにボールを託した。
これに対し、アストロズはラストバッターのマーティ・マルドナードが犠打を決め、一死2・3塁とすると、続いて打席に立ったジョージ・スプリンガーが、前進守備とシフトの間を抜く技ありの打撃で2点を返し、逆転に成功。
カスティーヨはその後も2失点を喫し、結果的にはこの回の4点が試合の流れを決めることとなった。
『MLB.com』の速報記事によると、キャッシュ監督はこの継投について、試合後、次のようにコメントしている。
「いいかい、あれはかなり明らかだったが、(アストロズ先発の)バルデスの投げっぷりを考えると、私は我々に多くの得点機会は生まれないと思っていた。とにかくディエゴへボールを渡したかったんだ。
あれはかなり重要な場面で、無死1・2塁だった。ブレイクの投球数は、まだ対処の範囲内だった。ただ、私はディエゴがあの場面で、シーズンを通して果たしてくれた役割を果たしてくれると信じていたんだ」。
ちなみにキャッシュ監督を弁護するならば、くだんの『MLB.com』の記事によると、キャッシュ監督はこのポストシーズンで、救援投手に引き継ぎながら、何れの状況でも、合計20人のランナーをホームに帰さず無失点で凌いでおり、ポストシーズンの最長連続記録を更新していたとのこと。
つまり、これまで継投策で抜群の冴えを見せてきた監督が、遂に(あくまで結果論として)ミスを犯したというわけだ。
タイラー・グラスナウでも、スネルでも、アストロズにとどめを刺せなかったレイズ。第7戦はかつてアストロズの一員としてプレーした、チャーリー・モートンに先発マウンドを託すことになる。
モートンといえば、そのアストロズ時代には2017年のリーグ優勝決定シリーズ第7戦(先発して5回無失点)と、ワールドシリーズ第7戦(最後の4回を投げて胴上げ投手に)で登板するなど、全てが決まるシリーズ最終戦という修羅場で抜群の安定感を見せてきた実績を持っている。
一方、アストロズはランス・マカラーズJr.が先発投手を務めることになるが、マカラーズJr.も前述のモートンが登板した、リーグチャンピオンシップ第7戦(モートンをリリーフ)と、ワールドシリーズ第7戦(先発)で登板している。
『MLB.com』のプレビュー記事によると、チームメイトとして同じシリーズ最終の第7戦に登板した選手同士が、シリーズ第7戦で敵として同じ試合で登板するのは、これが史上初の例になるとのこと。
再三言われている通り、これまでベスト・オブ・セブン(4戦先勝)のポストシーズンシリーズで、0勝3敗から逆転でシリーズ制覇を遂げたのは2004年のレッドソックスのみ。
ちなみに、このときレッドソックスは敵地での第7戦で勝利して、ワールドシリーズ進出を果たしており、今回アストロズは中立地ながらビジター扱いで第7戦をプレーすることになる。
歴史は繰り返すのか。あるいは第1シードが意地をみせるのか。果たして勝利の女神はどちらに微笑むのだろう。
J SPORTS 編集部
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