【楽天好き】順調なチームづくりと茂木キャプテンの本音

◆新任のキャプテン茂木も過酷なポジション争いに戦々恐々

久米島キャンプは、初日から好天に恵まれた。第1クールで天気が崩れたのは、最終4日の全体練習が終わった後だけ。

例年は気温や天候の変化が激しく、雨風や寒さにも悩まされる日があるのだが、ここまでは完璧だ。すべてのメニューが、計画どおりに消化されている。

さらに、「細かな部分を詰めていく」という三木肇新監督の方針のもと、3日と4日の午前中は報道陣もシャットアウトしての非公開練習が行われた。

写真：鉄平打撃コーチと話す三木監督

「予定していたことは、しっかりできた。非公開練習については、チームの中で確認したいことがあったので、それができてよかった。

秋季キャンプからいろいろと取り組んでいますが、みんなで同じ方向を向いて共有しながら少しずつできている。去年の秋より今、キャンプ初日より今日のほうが進んだかなと思います」。

着実に進んでいるという手応えからか、指揮官の表情も日に日に柔らかくなっていった印象だ。第1クール最終日である4日の練習後に行われた囲み会見では、テレビカメラが回る前に報道陣を和ませて笑いを誘っていたほど。

その非公開練習では、選手からも「それならこうしたい」「こういう場合はこれならどうか」と闊達なやり取りも起きたといい、チームとしても「少しずつまとまってきた」と自信をのぞかせる。

第2クールからは、「ピッチャーたちが打撃投手をしたり、ゲーム形式をノックしたり」とより実践的な練習が行われていくとのこと。威勢よく声を上げながら、さすがプロという美しい所作でフィールドを駆け回る姿を、引き続き楽しみに見守りたい。

選手たちの細かな表情や張り上げる掛け声も、ブルペンなら投手たちが「ウッ」と唸りながら投げる様子も、テレビのカメラやマイクが捉えるからこそ。シーズン中には見られない選手たちの練習シーンは必見だ。

写真：打撃練習に取り組む茂木

4日の放送では、新しくキャプテンに就任した茂木栄五郎も生インタビューに登場。ゲストリポーター、ギャオス内藤さんのハイテンションでツッコミまくる質問に、たじたじしながら本音をぽろりとこぼした場面もあった。

ギャオスさんに、スーパーユーティリティで長年ロッテのキャプテンを務めた鈴木大地が移籍してきたことについて尋ねられた茂木は、

「こんなこと言っていいかわかんないですけど、同じ内野手じゃないですか…。だから、もう、え、何してんの？いや、ライバルやん…って最初は思いました。でも、そういう方に勝たないと自分自身もレベルアップできない。

それに大地さんから学ぶこともたくさんある。練習に取り組む姿勢もそうだし、今までもキャプテンをずっとされてた方。だから、いろいろとアドバイスをいただいて、自分の成長につなげられたら」。

その後も茂木は、「内野争いが熾烈すぎる」と困ったような顔を見せつつも、「キャプテンとして先頭に立って、143試合ショートでレギュラーを張って、3割を打ちたい」「やるからには全力で前を向いて、優勝します！」と力強くコメント。

ギャオスさんの「キャプテンって何の仕事するの？」の問いにも、「いや、わかんないんすよ」と笑いを誘いながらも、「言葉でも背中でも引っ張れるキャプテンが理想」と明確なイメージを語り、実際に毎日のように若手にまじりながら、遅くまでバットを振り込んでいた。

文：松山ようこ