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第90回都市対抗野球大会は20日から3回戦。ベスト8を決める戦いが始まった。試合間隔も狭まり、投打とも総力戦の色が濃くなる大会の後半戦である。
【都市対抗野球2019】
JFE東日本 vs. 明治安田生命 ハイライト(第8日 第1試合)
第1試合は明治安田生命(東京都)とJFE東日本(千葉市)の対戦だった。どちらも初戦から先発を変えてきたが、序盤は両投手が好投する。
JFE東日本の先発はオールフロンティアから補強された左腕・高橋京介。新興チームのオールフロンティアから「初の都市対抗出場者」となった。
高橋は速球こそ130キロ台ながら、スライダーやツーシーム、チェンジなどの変化球が抜群。4回まで相手打線を0点に封じた。
明治安田生命の先発・古田康浩は32歳のベテラン右腕。140キロ台の速球も持つが、今日は制球重視で変化球を上手く使っていた。試合の中盤まで無失点投球を続ける。
明治安田は4回表、5番・大野大樹が一死1・2塁から左前安打。しかし、二塁走者が本塁に突入するクロスプレーがアウトとなり、先制のチャンスを逃す。
明治安田生命は5回表、JFE東日本の2番手・中林伸陽を攻略する。2番・木田大貴が二死1・2塁から右中間を破るタイムリー三塁打を放ち、2点を先制した。
ただ、JFE東日本は3番手の右サイドハンド・橘朋晃が好投。終盤まで2-0という明治安田生命のリードは動かない。
JFE東日本は9回から元横浜DeNAベイスターズの右腕・須田幸太がリリーフ。2回戦と同じように、彼の登板後に攻撃の火がついた。
JFE東日本は9回裏、松本啓二朗が一死1・2塁のチャンスで打席。大学、プロで須田のチームメイトだった男が四球を選び、一死満塁とチャンスを拡げる。ここで>6番・岡田耕太がレフト前タイムリー安打を放ち、2-2と試合は振り出しに戻った。
明治安田生命は8回からリリーフしていた陶久亮太が降板し、左腕・三宮舜を3番手で起用する。
JFE東日本は二死満塁と走者を溜め、打席に入ったのは9番・猪田和希。神戸国際大付属高校から入社して2年目の右打者で、6回裏の代打から試合に入っていた。
「2-2の同点、二死満塁で自分の打順が来ると計算していた」という猪田が試合を決めた。フルスイングで捉えた打球は高々と舞い上がり、レフトスタンドへ。劇的なサヨナラ満塁本塁打で、JFE東日本が6-2と勝利した。
◆試合結果
明治安田 |0 0 0 0 2 0 0 0 0 |2
JFE東日本|0 0 0 0 0 0 0 0 6X|6
【都市対抗野球2019】
日本製鉄鹿島 vs. パナソニック ハイライト(第8日 第2試合)
第2試合はパナソニック(大阪市)と日本製鉄鹿島(鹿嶋市)の対戦。
日本製鉄鹿島の先発は伊藤拓郎だった。26歳の彼は帝京高校を卒業後、横浜DeNAベイスターズ、BCリーグの群馬ダイヤモンドペガサスを経て、2018年から社会人でプレーしている。
伊藤はツーシーム、スライダーをコースへ投げ込む丁寧な投球で試合を作った。
パナソニックも今大会初登板の右腕・城間竜兵が好投。両チームともチャンスはあったが5回まで得点なし。試合が動いたのは6回表だった。
パナソニックは9番・横田卓也の出塁からチャンスを作り、3番・坂田が二死2塁からライト線を破るタイムリー二塁打。1点を先制する。
8回にも3番手の左腕・能間隆彰、4番手の角田皆斗を攻め、二死1・3塁のチャンス。4番・片山勢三の今大会初安打がライト前タイムリー安打となり、2点目を加えた。
パナソニックは160センチの左腕・小屋裕が8回、クローザー北出浩喜が9回を締めて2-0で試合終了。関西第7代表から這い上がってきた名門が、苦しみながらこの大会3勝目を挙げている。
◆試合結果
パナソニック|0 0 0 0 0 1 0 1 0|2
日本製鉄鹿島|0 0 0 0 0 0 0 0 0|0
【都市対抗野球2019】
鷺宮製作所 vs. JFE西日本 ハイライト(第8日 第3試合)
第3試合はJFE西日本(福山市・倉敷市)と鷺宮製作所(東京都)の対戦。河野竜生、野口亮太の両エースが先発を回避した。JFE西日本は左腕・中川一斗、鷺宮製作所は東京ガスから補強された右腕・臼井浩がスタートを任された。
初回からJFE西日本の打線が好調だった。1回表、一死1・2塁から4番・橋本拓也がセンター前にタイムリー安打。5番・古田塁の三塁ゴロの間に三塁走者が生還し、JFE西日本が2点を先制する。
5回表にも2番・岡将吾、3番・佐藤直樹の連打でスコアは4-0。7回には代打・小串寛徳が二死から満塁本塁打を放ち、8点差までリードを拡げた。
しかし、東京第1代表の鷺宮製作所も、ドラマ『ルーズヴェルト・ゲーム』さながらに執念を見せた。7回裏には2番・石川裕也が二死1・3塁からライトにタイムリー安打。
JFE西日本は先発・中川一斗がここで降板し、2番手投手には「今日4人目の元ベイスターズ」となった小林寛が登板する。
鷺宮製作所は8回裏一死満塁からも8番・酒井直哉の内野ゴロで2点目を加え、9番・山原泰士がタイムリー二塁打で続く。4-8まで追い上げ、大応援団の声援に応えた。
ただし、試合の大勢は覆せず、JFE西日本が8-4と勝利し、ベスト8進出を決めた。
◆試合結果
JFE西日本 |2 0 0 0 2 0 4 0 0|8
鷺宮製作所|0 0 0 0 0 0 1 3 0|4
文:大島和人
大島 和人
1976年神奈川県で出生。育ちは埼玉で現在は東京都町田市に居住。早稲田大学在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れた。卒業後は損害保険会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。現在はサッカーやバスケ、アマチュア野球など多彩なボールゲームの現場に足を運んでいる。Twitter(@augustoparty)
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