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野球 コラム 2018年5月23日

人生が変わる瞬間 読売巨人吉川尚輝選手の場合

J SPORTSプロデューサーコラム by 浅田 次郎(J SPORTS野球プロデューサー)
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決勝戦は神宮で!大学野球日本一に輝くのは?

6月11日(月)から17日(日)まで、東京ドームと明治神宮野球場を舞台に、「第67回全日本大学野球選手権大会(以下、選手権)」が開催される。北は北海道から南は沖縄まで、全国26連盟の春季リーグを勝ち抜いた27の代表校が、大学野球日本一をかけて熱戦を繰り広げる。
私が所属するJ SPORTSでは、1回戦から全試合を放送するということもあり、現在各校の選手資料集めや周辺取材などに駆け回っている。選手や主務、マネージャーが一生懸命に記入してくれたであろう、土ほこりが付いた資料は「青春の玉手箱」だ。
もしこの選手権の「魅力」を問われたら、私はこう答える。
「人生が変わる瞬間の目撃者になれるんですよ」と。

全日本大学野球選手権により、人生が変わったあるプロ野球選手の話を紹介したい。

初出場で優勝! 中京学院大学の快進撃

2016年に行われた第65回全日本大学野球選手権で、選手権初出場にして優勝を果たしたのが中京学院大学。その中で中心選手としてチームを引っ張ったのは、現在読売巨人に在籍している吉川尚輝だった。初めての全国の舞台で全国大会常連校相手に勝ち進んでいく、奇跡と言っていい快進撃、そう思っていたのは実際に戦っていた本人たちも同様だったようだ。

「誰も優勝するとは思っていなかったんじゃないですか。僕らも優勝した直後は“本当?”という感じで実感が全くなかったです。地元に帰って、祝勝会が開かれたりして、ようやく優勝したと思った程です。」

現在では中京学院大学と言えば、吉川の他に広島東洋カープの菊池涼介の出身校として知られ、強豪校と認識している方もいるかもしれない。しかし、実際は野球部の多くの選手は学業と部活だけではなく、バイトもしている。全国の強豪校と言われる野球部と比べると絶対的に練習時間は短いのが現状である。

「僕らの大学は高校時代甲子園に出場したことのある選手もいなく、練習も自主性が求められ、全体で行う時間は限られていました。その中では個々の意識を高く保つというのも難しいです。でも、僕らの代は2度全国まであと1歩というところで負けていたので、選手権に絶対出てやろう、選手権が目標というのはありました。」

目標は「選手権出場」だったのだが…

果たして、念願の選手権に出場した中京学院大学と吉川。その全国初戦、チーム初得点は吉川の第1打席で生まれた。1アウト、ランナーを3塁に置いた打席で、吉川はタイムリースリーベース。チーム初得点を記録するだけでなく、2点目となるホームを踏むランナーとなった。

「一番印象に残っているのは、初戦の第1打席じゃないでしょうか。念願の全国、大学野球にとっての聖地・神宮球場。緊張していたのを覚えています。でもランナーが1番打者の戸田。足の速い選手がランナーだったので楽に臨めました。」

中京学院大学は初戦、この2点を守り、勝利。ここから優勝までの奇跡が始まる。そして、吉川は初戦から決勝戦までの全5試合でヒットを記録、その奇跡の中でも一際大きな輝きを放った。

「大学野球と言えば、やはり東京六大学や東都というイメージがあるので、負けたくないという気持ちもありました。向こう(東京六大学や東都の選手)は実績もありますし、僕らは地方(リーグ)で挑戦者というかぶつかっていくだけだと思っていました。そういう気持ちで試合に臨めたことで、試合に勝って優勝できたんじゃないかと思います。」

第65回全日本大学野球選手権を制した中京学院大学、中央の優勝トロフィーの後ろが吉川選手

そしてドラフト1位指名に

選手権の活躍が認められた吉川はその後7月に開催された日米大学野球選手権に日本代表侍ジャパンとして出場。走攻守揃った選手として評価を高め、読売巨人にドラフト1位指名されるに至った。

「大学時代は神宮球場が目標、地方のリーグで全国までいくのは難しかったです。そこを目指して大学4年間やっていました。リーグ戦では注目されることもなかなか難しいですけれど、選手権で打てたことで注目度も変わってきました。あの選手権が無ければ今ここにいることも無かったし、本当に良かったなと思います。」

吉川を始め、選手権をきっかけにプロ野球への扉を開いた選手は多くいる。
人生が変わる瞬間。
全日本大学野球選手権で、ぜひその瞬間を目撃して欲しい。

代替画像

浅田 次郎(J SPORTS野球プロデューサー)

千葉県出身で自身がやっていたスポーツはサッカー。ワールドベースボールクラシックでは、不眠不休で制作にあたっていた。ニックネームは「じろう」で、忘れにくい名前を武器に、各方面でブイブイ言わせている。

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