【バドミントン ジャパンオープン開幕まであと8日！】女子シングルスはアンと陳の2強、日本の山口や宮崎は牙城を崩せるか

ジャパンオープン2025 開幕まであと8日

バドミントンの国際大会ダイハツジャパンオープンが7月15日から東京体育館で開催される。BWF（世界バドミントン連盟）が主催するワールドツアーで2番目に格付けが高いスーパー750。世界の強豪が集い、覇を競う。女子シングルスは、2024年パリ五輪の金メダリストであるアン・セヨン（韓国）と、21年東京五輪の金メダリストである陳雨菲（チェン・ユーフェイ＝中国）が2強体制を築いているが、日本の山口茜（再春館製薬所）や宮崎友花（ACT SAIKYO）らが牙城を切り崩しに行く。

この種目は、何と言っても、アンの強さが際立っている。24年6月から、表彰台を逃したことがなく、25年は個人戦6大会で5回優勝。わずか1敗だ。鉄壁のディフェンスからミスの少ないラリーを展開。23年8月3日から世界ランク1位をキープしている、欠点が見えない最強の女王だ。片耳に手を当てて喝采を浴び、両腕を腰に引き付けて咆哮する力強いガッツポーズをするのが、勝利の儀式。東京体育館で、その姿が見られるか。

対抗馬となるのが、陳だ。パリ五輪の後は一時競技から距離を置き、豪州で語学留学をしていたが、モチベーションを取り戻して25年2月に復帰した。3月からは、アジア選手権を含めて国際大会で4度の優勝。今季、唯一、アン・セヨンを破った選手でもある。キャリアを積み、ポーカーフェイスで堂々とした試合運びはさらに磨きがかかった。勝負所の見極め方、スピードの使いどころなど、巧みなペース配分で勝利を手繰り寄せる。

この2人を追いかけるのが、日本、中国、タイ、インドネシアの選手だ。日本は、この種目で史上最多タイの4度優勝を誇る山口茜と、高卒1年目の宮崎友花が上位シード（山口は第3、宮崎は第7シード）。中国は、ともにパリ五輪の出場権獲得レースで上位に入りながら、1カ国最大2枠の壁に泣いた、第3シードの王祉怡（ワン・チーイー）と第5シードの韓悦（ハン・ユエ）。王は、24年のBWFワールドツアーファイナルズで優勝。ボディ周りの守備を含め、多彩なラケット捌きを見せる。

日本の山口茜（再春館製薬所）と宮崎友花（ACT SAIKYO）

ほかに、上位シードにズラリと名が並ぶのがタイ勢だ。元世界選手権女王のラチャノック・インタノンは、多くの選手が憧れる切れ味鋭いショットの使い手。特に強打をフェイントにして打つカットは必見。第9シードのスパニダ・カテトンは、インタノンとともにパリ五輪に出場した実力者。第8シードのポンパウィー・チョチュウォンは、タッチの早いラリーを展開。近年は粘り強さが増し、成績も向上中だ。ほかに、ブサナン・オングブンルングパンも上位に入る可能性を持った選手。

インドネシアは、エースのグレゴリア・マリスカ・トゥンジュンが第6シードとなるが、体調を崩して、4月のアジア選手権から戦線離脱中。復帰できるかどうか。22歳で伸び盛りのプトゥリ・クスマ・ワルダニは、約1年で世界ランクを32位から11位まで上げており、今後注目度が高まりそうな選手と言える。

2強がすんなり決勝へ進むのか、阻む者が現れるのか。日本の山口が単独最多5回目の優勝を飾るか、注目の若手・宮崎が快進撃で会場を沸かせるかを含め、注目したい。

文：平野貴也