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バドミントン コラム 2025年2月18日

【見所解説】混戦の時代、頂点に立つのはどこだ?|S/Jリーグ 2024 TOP4トーナメント準決勝

バド×レポ by 平野 貴也
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シダマツ擁する再春館製薬所はV候補筆頭

シダマツ擁する再春館製薬所はV候補筆頭

バドミントン国内最高峰のS/Jリーグは、2月21日から横浜BUNTAIでTOP4トーナメントを開催し、同日に男女の準決勝、22日に決勝を行う。男女それぞれ、6チームずつ2組で行ったブロックの上位2位が参加し、覇を競う。試合形式は、第1ダブルス、シングルス、第2ダブルスの順に行い、2勝を争う形式。2021年実施の東京五輪、24年のパリ五輪を経て、日本代表は世代交代の時期。各チームの主力の顔ぶれも変わり、混戦ムードが漂っている。勝敗予想の難しいTOP4のカードが出そろったと言える。混戦時代にどのチームが頂点に立つのか、横浜決戦の第1陣となる準決勝4試合の見どころを紹介する。

日立はダブルスに安定感、トナミは保木/小林の状態が気がかり

男子は、昨シーズンに初優勝を飾ったジェイテクトがブロック戦で敗退。代わって、前回はTOP4進出を逃した日立情報通信エンジニアリングが、ダブルスの安定感を取り戻してSブロックを全勝し、首位通過を果たした。際立ったのは、ダブルス2組の安定感だ。エースペアで日本代表でもある野村拓海/霜上雄一と、主に第2ダブルスで起用された玉手勝輝/松居圭一郎がどちらも4戦全勝。玉手/松居は、NTT東日本とのブロック首位争いでは第1ダブルスに起用され、相手のエースペアを撃破する活躍も見せた。シングルスの主軸は、長身の牧野桂大。ブロック戦で3戦全勝の働きを見せた。

準決勝で対戦するトナミ運輸は、日本リーグが2016年シーズンからS/Jリーグに改称されて以来、5シーズンにわたり覇権を握り続けてきたが、前回大会で連覇がストップ。王座奪回を目指す。ダブルスに日本代表エースペアの保木卓朗/小林優吾を擁するが、12月の全日本総合選手権を欠場した後、実戦復帰しておらず、状態が気がかりだ。一方で、シングルスの選択肢は豊富。小柄でスピードに優れた高橋洸士が25年の日本代表に選出されているほか、大林拓真、秦野陸といった代表経験者が揃う。日立情報通信エンジニアリング戦で何としても取りたいシングルスに誰を起用するかは、一つの注目点となる。

BIPROGYとNTT東日本の対戦は、シングルスに注目

もう一方の男子準決勝は、Jブロック全勝のBIPROGYと、Sブロック2位のNTT東日本が対戦する。BIPROGYは、世界ランク19位の岡村洋輝/三橋健也がダブルス、世界ランク11位の渡邉航貴がシングルスの軸。ともに日本代表で国際大会の経験も豊富だ。さらに、ブロック戦では若手の活躍が目立った。ダブルスの熊谷翔が4勝、谷岡大后が3勝、西大輝が2勝。シングルスも沖本優大が3勝。いずれも新人賞の対象となる加入1年目、来季加入内定選手の選手だ。総力戦になれば、若手の勢いが発揮されそうだ。

対するNTT東日本は、昨夏に加入した世界ランク8位の奈良岡功大がシングルスの大型補強となっているが、ブロック戦の出場は1戦のみで敗戦。TOP4で初勝利を挙げるか、注目される。ただ、田中湧士、武井凛生も含めて日本代表3人を揃える種目。元世界王者の桃田賢斗も控えており、誰を起用しても勝負ができる。ダブルスは、日本代表の緑川大輝/山下恭平がエース、第2ダブルスは、ブロック戦で試したペアリングからどう起用するか。いずれにせよ、チーム力が拮抗しており、エースペアを第2ダブルスに回すのは難しいカードと言える。ともに世界ランク上位選手を有するシングルスが勝敗のカギを握るだろう。

シダマツ擁する再春館製薬所はV候補筆頭、TOP4初進出の岐阜が挑む

女子は、2016年に旧・日本リーグを土台としてS/Jリーグが発足して以降、再春館製薬所とBIPROGY(旧社名の日本ユニシス時代を含む)が交互にタイトルを獲得する歴史を歩んでいる。今回も2強の争いなのか、新たな歴史が生まれるのか、注目される。

単複に日本代表のエース格を揃える再春館製薬所は、優勝候補の筆頭と言える。前回は、準優勝。タイトル奪還を狙う。シングルスには五輪3大会連続出場の山口茜、ダブルスにはパリ五輪で銅メダルを獲得した志田千陽/松山奈未の「シダマツ」ペアを擁する。ただし、山口は24年12月の全日本総合選手権を負傷のため1回戦で棄権。復帰しておらず、回復途上だ。それでも、ブロック戦では、ともに25年の日本代表に入った明地陽菜が2勝、郡司莉子が1勝と勝ち星を挙げており、カバーが可能な戦力が揃う。

準決勝で対戦するのは、昨年に実業団からプロクラブ化した岐阜Bluvic。初のトップ4進出を果たした。主軸は、女子ダブルスで日本代表の福島由紀。個人戦では、24年終盤から松本麻佑(ほねごり)との新ペアで国際大会を優勝するなど活躍中だが、団体戦ではパートナーが変わる。ブロックリーグでは、長身アタッカーの川添麻依子と組んで3勝1敗、来季加入内定選手で24年世界ジュニア選手権女子ダブルス優勝の平本梨々菜(青森山田高)と組んで1敗。福島をどう起用するかがポイントだ。シングルスの軸は、ブロック戦4勝1敗の古川佳奈が担う。

絶対的なエースペアがいる再春館製薬所は、一気に2-0で仕留めたいところ。対する岐阜Bluvicは、第1ダブルスで敗れても折れずに最終の第2ダブルスまで持ち込めれば勝機はある。逆に第1ダブルスを取れれば、相手に大きなプレッシャーを与えることができる。どちらにしても、第1ダブルスの流れを受けて迎えるシングルスは、正念場になりそうだ。

V2狙うBIPROGYは戦力抱負、新人大活躍のヨネックスが番狂わせ狙う

もう一方の準決勝では、BIPROGYが連覇への前進を狙う。強みは、ダブルスの層の厚さだ。エースの中西貴映/岩永鈴は、世界ランク6位。もう1組の大竹望竹/高橋美優も25年の日本代表に入ったペア。どちらでも相手エース格に勝負が挑める。また、前衛タイプの選手である2016年リオデジャネイロ五輪金メダルの松友美佐紀や、混合ダブルスで五輪2大会銅メダルの五十嵐有紗がおり、後衛タイプの中西と組ませる戦い方も選べる。シングルスは、日本代表の杉山薫が軸。来季加入内定の砂川温香もブロック戦で2勝を挙げており、即戦力だ。

対するヨネックスは、新戦力の活躍が目覚ましい。リーグ開幕前の24年夏に日本代表の宮浦玲奈が引退。戦力ダウンが懸念されたが、来季加入内定の関野里真(日本体育大)が主力の櫻本絢子や保原彩夏といった日本代表とペアを組みながらブロックリーグ5戦全勝と大車輪の活躍。2月には、混合ダブルスで日本代表に追加選出された。一気にレベルが上がるTOP4トーナメントでも勢いを持続できれば、チームの躍進につながる。シングルスは、ブロック戦で2勝の高橋明日香、1勝1敗の仁平菜月がどちらも日本代表。BIPROGYを相手にダブルスで2勝するのは容易ではない。ヨネックスとしては、シングルスはぜひとも勝ちたいところ。どちらを起用するのか注目される。
BIPROGYが優位と見られるが、団体戦は試合の流れが物を言う。第1ダブルスから目の離せない激戦になりそうだ。

文:平野貴也

平野貴也

平野 貴也

1979年生まれ。東京都出身。
スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集・記者を経て、2009年に独立。サッカーをメーンに各競技を取材している。取材現場でよく雨が降ることは内緒。

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