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ロンドン銀メダリスト 藤井瑞希さん
バドミントンの国際大会「ダイハツジャパンオープン」が7月25日から30日まで代々木第一体育館で行われる。2024年パリ五輪の出場権を争うレースの中の大きな舞台であり、8月にデンマークで行われる世界選手権の前哨戦ともなる大会だ。1982年に始まったジャパンオープンは、古くから世界の強豪を間近に見られる貴重な場として注目を集めてきた。2013年以降は、日本人選手も優勝。「日本vs世界」の構図は、高いレベルで実現されるようになり、大会も年々グレードアップ。現在は、年間6大会しか開催されないBWFワールドツアーのスーパー750というハイレベルな位置付けとなっている。ジャパンオープンとは、いかなる大会なのか。2012年ロンドン五輪の女子ダブルスで銀メダルを獲得し、現在は解説者として活躍している藤井瑞希さんに大会の思い出と見どころを語ってもらった。
――藤井さんは、青森山田高校2年生の2005年に初出場されていますが、覚えていますか
高校生で出場してましたっけ……(笑)? 全然、覚えていないですね。私が学生の頃は、
今とは違って高校生が国際大会に出る環境ではなかったので、目指していたのは、全国中学校大会、インターハイといった身近な大会だけでした。ジャパンオープンは「日本A代表の選手が出る大会」だと思っていたので、リアルにこの大会を意識したのは、代表に入ってからです。
――ジャパンオープンで最も活躍されたのは、ベスト4に入った2011年大会です
韓国の河貞恩/金ミン貞(ミンは日へんに分)ペアに勝って、熱い試合をしましたね(※敗れた準決勝でも中国ペアと1時間30分を超える激闘)。自分たちがトップ選手と戦えると思ったのが、その年でした。ロンドン五輪のレース中で成績を残したいと思っていましたし、ロンドン五輪でペアを解散することを心に決めていたので、勝ちに行きたい気持ちが一番強かったです。最後のジャパンオープンを悔いなく戦おうと臨んでいました。
【インタビュー動画】藤井瑞希さんが語るバドミントン ジャパンオープンの見どころ
――海外のトップクラスに挑む試合を、日本のファンに見せられる唯一の大会ですよね
バドミントンに興味がある人なら誰もが知っている選手が来て、その人たちと戦っている姿を見せられるというのは、大きいですね。韓国ペアとは、常に勝ったり負けたりしていたライバル。そこで勝てたのは嬉しかったです。会場が結構盛り上がっていた印象もあって、私たちの試合で会場が沸いて「私たちを見てもらえている」という感覚は、ジャパンオープンでしか感じられないものでした。
ジャパンオープンの魅力を語る藤井瑞希さん
――海外で勝つのとは、違う感覚なんですね
海外と違って、日本の応援は、すごく愛情があって温かいです。海外でも、点を取った瞬間は盛り上がってくれますし、点を取れば拍手をしてもらえます。でも、日本の大会だと、良いラリーを落としてしまったときでも「頑張れ」という声が聞こえるんです。
――厳しい場面が多い国際大会で、ホームの応援があるのは、今の選手にとっても大きいと思います。今年の大会については、どのような点に注目されていますか
五輪レース中のスーパー750なので、ほとんどのトップ選手が出場すると思います。レース中は、例年以上に白熱した戦いが見られます。来年は、五輪があるので、その前後では、心身のコンディションの調整によって、トップ選手が揃わないケースも出てくると思います。もしかしたら、今回の大会でしか見られない選手も出てくるかもしれません。「来年、見ればいいや」は、もったいないです。今年こそ、自分の見たい選手が見られる大会になると思いますし、選手のモチベーションも間違いなく高く、存分に「推し活」ができる大会になるので、会場に行った方が良いです。
――その世界トップレベルの戦いの中で、日本は優勝を争える力をつけていますが、注目選手は?
私たちの時代は「女子ダブルスは、日本がベスト4に入れるかもしれない」というレベルでしたが、今は、全種目で日本選手に優勝の可能性があります。誰が優勝するか、メダルを取るかという話なら、たくさんの名前が挙がるのですが、少し違った点で楽しみにしているのは、混合ダブルスの山下恭平/篠谷菜留(NTT東日本)ペアです。五輪レース最初の大会だった男女混合国別対抗戦スディルマン杯で、すごく良い試合を見せてくれました(※準々決勝のタイ戦、準決勝の中国戦で勝利)。何をすごいと感じたかと言えば、一番、応援を力にしてプレーに生かせたペアだったところです。選手には、周囲を気にせず自分のゾーンに入って集中するタイプと、応援を力にするタイプがいます。2人は、団体戦の緊張感の中、雰囲気にのまれず、チームに貢献してくれました。特に、篠谷選手は応援を力にできる選手。みんなが応援して、盛り上げれば、その分、力が出るタイプ。応援してくれるファンの前、自国開催という環境で、自分たちのプレーを出せたときにすごい力を発揮できる2人だと思うので、今回のジャパンオープンの注目ペアに挙げたいです。
――注目の種目はありますか
やっぱり、女子ダブルスですね。日本は、世界のトップに3ペアがいて、追いかけるペアも何組かいる状況です(※志田千陽/松山奈未=再春館製薬所、松本麻佑/永原和可那=北都銀行、福島由紀/廣田彩花=丸杉の3組が長く世界ランク1ケタをキープ。20位以内にもさらに3組がひしめいている)。私は、そのどれかが優勝するだろうと思っています。女子ダブルスの五輪レースは(日本勢が高いレベルに何組もいるが、最大で2組しか五輪に出場できず)同国対決に勝たなければいけない環境で、同国対決に負け続けたペアが五輪に出場することは、あり得ません。これまでの五輪レースでも「あと何ポイントの差で……とか、あの日本勢対決で向こうが勝っていれば……」という物語になったケースが多いです。(※16年リオ五輪レースの最終戦では、高橋礼華/松友美佐紀に敗れた福万尚子/與猶くるみが、出場権獲得に一歩届かなかった)現在、世界のトップレベルにいる日本勢は、上位で対戦する可能性が高いです。どのペアが勝ち上がり、どんな戦いを見せるのか、注目です。
――大会を楽しみにしているバドミントンファンに、メッセージをお願いします
日本の選手がコートに入っていたら、背中を後押しするようにいっぱい応援して、拍手して、盛り上げてほしいです。私も一緒に応援します!
平野 貴也
1979年生まれ。東京都出身。
スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集・記者を経て、2009年に独立。サッカーをメーンに各競技を取材している。取材現場でよく雨が降ることは内緒。
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