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桃田賢斗(NTT東日本)
今度こそ、桃田が国際舞台に復帰する。バドミントン日本代表が13日、全英オープンに向けて出国した。男子シングルス世界ランク1位の桃田賢斗(NTT東日本)にとっては、14カ月ぶりの国際大会となる。桃田は昨年1月にマレーシアマスターズを優勝した翌日、当地で交通事故に遭い、負傷。帰国後には右目眼窩底骨折が発覚して手術を行い、長期の離脱を余儀なくされた。実戦復帰は、昨年12月。全日本総合選手権で3連覇を飾った。今年1月に国際大会の復帰を果たす予定だったが、出国時のPCR検査で新型コロナウイルス感染の陽性判定を受け、遠征はキャンセルとなった。桃田は、出発時の取材対応で「やっと試合ができる。不安もすごくありますけど、自分ができることを精一杯やって来れたらいいかなと思う。東京五輪に向けて、という気持ちがあるので、そこに向けて自分が今どれだけできるのか、何ができて何ができないのかを明確にできるように、試合をできたらいい。痛い所もなく、調子も悪くもない。完全復活した自分を見てもらいたいし、少しでも成長した自分を見てもらえたらいいと思う」と意気込みを語った。
桃田は、勝ち上がった場合に、ライバルのアンソニー・シニスカ・ギンティン(インドネシア)と準決勝で対戦する可能性がある。スピードに優れるギンティンは攻撃力があり、守備をベースとする桃田が比較的苦手とするタイプ。実現すれば、復帰後の力を試す好機となる。また、桃田と同い年のビクター・アクセルセン(デンマーク)が、今年参加した4大会で優勝3回、準優勝1回と結果を残しており、対抗馬の筆頭となる。日本代表の朴柱奉ヘッドコーチは「桃田選手のコンディションは、良い。動きが軽く、スピードも以前より良くなっている。1年ぶりの試合なので少し心配はあるし、決勝の前にギンティン選手たちもいるが、勝ち上がれば、桃田選手が優勝した19年の大会と同じように、ビクター選手と決勝で勝負できるのではないか」と好調のライバルを破っての復活優勝に期待をかけた。
男子ダブルスの遠藤大由/渡辺勇大(日本ユニシス)と、女子ダブルスの福島由紀/廣田彩花(丸杉ブルビック)は、前回王者として連覇を狙う。遠藤/渡辺は、前回大会以来1年ぶりの国際大会。個人的にレシーブ強化を図ってきたという遠藤は「ローテションやレシーブから攻撃につなげるところを試している。進化できたかどうかが、大会で分かると思う」と1年の成果を実戦にぶつける姿勢を示した。男子ダブルスは、有力どころでは中国勢が欠場しているが、インドネシアのペアが強く、対戦が実現すれば楽しみだ。女子ダブルスは、東京五輪でもメダル候補となる中国、韓国のペアが欠場。福島/廣田が第1シード、世界選手権を連覇している松本麻佑/永原和可那(北都銀行)が第2シードで優勝候補。廣田は「(世界選手権などで準優勝が多く)大きな大会を勝てていなかったので、昨年優勝したのもあって、思い入れのある大会。今年も一戦一戦、戦って、優勝につながれば良いと思います」と連覇に意欲を見せた。日本勢3番手を争う志田千陽/松山奈未(再春館製薬所)と櫻本絢子/高畑祐紀子(ヨネックス)は、1回戦で激突するため、どちらは初戦敗退となるが、ベスト4に3組といった状況も十分に期待できる。
混合ダブルスも世界ランク上位3組の中国、タイ勢が欠場。第2シードの渡辺/東野は、18年以来3年ぶり2度目の優勝を狙う。この種目を主戦場とすることになった金子祐樹/松友美佐紀(日本ユニシス)も、松友が混合に専念してからは初の国際大会となるため、現在の力を知る上で意味のある大会となる。
奥原希望(太陽ホールディングス)
女子シングルスは、今年の4大会で優勝3回、準優勝1回のキャロリーナ・マリン(スペイン)が中心。第2シードの奥原希望(太陽ホールディングス)は「デンマークは(トップクラスの参加選手が)マリン選手だけでしたけど、今回は決勝に行くまでにも強い選手が出ている。強豪国の選手とやり合えるのは、楽しみ。(参加できなかった)1月のタイの3大会は、決勝戦がすべて同じカード(マリンと戴資穎)。BWFワールドツアーファイナルズの決勝戦は、すごく刺激になった。私も早く対戦したいというワクワクが止まらなかった」と抱負。昨年10月のデンマークオープンでマリンを破って優勝しており、再度の頂上対決に期待がかかる。世界ランク1位の戴資穎(タイ・ツーイン=台湾)は欠場するが、奥原と何度も死闘を繰り広げているインドの長身選手シンドゥ・Vプサルラらがエントリー。日本勢では、第3シードの山口茜(再春館製薬所)も上位候補となる。
全英オープンは、世界選手権よりも古い歴史を誇り、権威のある大会だ。今回は、東京五輪の出場権争いに直接関与しないことや、コロナ禍での移動に対する警戒もあり、中国やタイの選手が欠場している。そのため、種目によっては強豪選手が欠ける。ただ、それでも五輪レースの一つだったアジア選手権も中止となるなど各大会が延期や中止となっている状況では、大会という実戦の舞台そのものが貴重だ。日本代表の朴HCは「1月のタイでの国際大会は参加を中止したが、中国以外の強国は参加していて結果もよく、コロナ禍でもほかのチームも頑張っているなと思った。タイの大会に参加した選手は(国際大会の中断明けに)大きな大会の経験があるので、日本よりは余裕があると思う。女子ダブルスは(強い)中国、韓国が参加していないけど、それとは関係なく、日本のチームは1年ぶりの大会でどこまでパフォーマンスを出せるか。大きな大会の経験は、東京五輪に向けても良い経験になる。今回の結果で、東京五輪に向けて、次の準備をどう頑張るべきかが分かると思う」と東京五輪での全種目メダル獲得に向けた試金石としたい考えを示した。7月開幕の東京五輪まで、残り4カ月。試合間隔が間延びして分かりにくくなっている、国際大会における現在地を知るための貴重な大会に注目だ。
平野 貴也
1979年生まれ。東京都出身。
スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集・記者を経て、2009年に独立。サッカーをメーンに各競技を取材している。取材現場でよく雨が降ることは内緒。
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